中日ドラゴンズ・根尾昂選手 ゴールデンルーキーの現在

どうもマツローです。

2018年夏、第100回全国高校野球選手権大会で優勝し、名門・大阪桐蔭から鳴り物入りで中日ドラゴンズに入団した根尾昂選手。

甲子園で見せた才能あふれるプレーは、プロ野球でも早い時期から活躍できることを予感させました。しかしそんな根尾選手でも今季未だに一軍出場はなく、一軍の高い壁を超えられずにいます。

野球ファンとしては、2018年ドラフト同期の高卒選手である藤原恭大選手(千葉ロッテマリーンズ)・小園海斗選手(広島東洋カープ)がすでに一軍を経験していることもあり、根尾選手の現在の様子が気になるところです。

そこで今回は根尾選手のプロフィール・経歴を振り返り、今季これまでの根尾選手の活躍や今季一軍出場の可能性について分析してみました。

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中日ドラゴンズ・根尾昂選手のプロフィール・経歴

根尾選手のプロフィール
選手名  :根尾昂(ねお あきら)

出身地  :岐阜県

生年月日 :2000年4月19日

身長体重 :177cm・80kg

ポジション:遊撃手

投球・打席:右投左打

契約金  :1億円

年俸   :1500万円(出来高5000万円)

経歴   :大阪桐蔭高→中日ドラゴンズ

根尾選手は小学校2年生から野球をはじめ、投手兼三塁手として頭角を現します。特に投手としての評価が高く、小学校の頃にすでに128km/hを記録。中日ドラゴンズジュニアに選抜されます。

中学では飛騨高山ボーイズで投手兼遊撃手を務め、球速は146km/hを超えます。全国の注目を集めた根尾選手は、日本代表として世界少年野球大会へ出場。全国のボーイズリーグから選ばれる「NOMO JAPAN」に選出され、アメリカ遠征を経験しました。

そんな根尾選手に数多の野球強豪校から声がかかります。子供の頃、藤浪晋太郎選手(現・阪神タイガース)率いる大阪桐蔭高校の春夏連覇を目にし、プロ野球への憧れを胸に秘めていた根尾選手は、その憧れにまっすぐ歩むように大阪桐蔭高へ進学を決めました。

大阪桐蔭では1年夏に18番をつけベンチ入り。2年春には投手兼遊撃手、時には外野手を兼任しながらチームをけん引し、4季連続甲子園出場を果たします。

4季のうち2年春・3年春・3年夏に優勝を飾ったのはもはや伝説。打っては高校通算32本塁打、三塁到達タイム「11.07秒」の俊足を兼ね備え、投手としての球速は150km/hを超える「大阪桐蔭最強世代」の中心選手として活躍しました。

そして2018年ドラフト会議では、4球団が競合する評価を得て抽選の末、中日ドラゴンズへ入団が決まります。根尾選手は契約の際、「ポジションはショート1本で行かせてくださいとお伝えしました」と語り、プロ野球選手としての決意を表しました。

中日ドラゴンズ・根尾選手の身体能力

華々しい経歴から根尾昂選手は“野球エリート”として、プロ野球への道をまっすぐに歩いてきたように思えます。

しかし根尾選手の才能は野球だけにとどまらず、小学校時代に短距離走で全国5位の成績をあげ、ソフトボール投げでは当時の全国1位に輝くという経歴を持ちます。

またスキーでは中学2年時に全国中学スキー大会のスラロームで日本一になり、イタリアで開催された国際大会に出場。二軍で指導する荒木内野守備走塁コーチ・石井打撃コーチも、こうした基礎的な運動神経の良さ・しっかりとした体幹を評価しています。

しかし荒木コーチ曰く「今活躍するために教えているんじゃない。基礎ができていないとこれからの長い野球人生でうまくいかなくなった時に、返る場所がなくなってしまう。今はそうなったときにしっかり返れる場所を作っている」とも語ります。

この言葉には根尾選手が一時の活躍にとどまらず、息の長い真の一流選手になるための二軍監督・二軍コーチ陣の考えがありました。

中日ドラゴンズ・根尾昂選手の成績・打撃編

71試合 258打数 49安打 2本塁打 18打点 6盗塁 20四球 2死球 90三振 犠打0
打率.190 出塁率.254 長打率.275 OPS.529
※ウエスタンリーグ7月26日現在

根尾選手は1月下旬に合同自主トレで右ふくらはぎを痛め、春季キャンプを二軍で過ごします。さらに4月中旬、遊撃守備中に左手人差し指挫創で8針を縫う怪我を負い、一軍はおろか二軍での復帰は5月8日。ここから根尾選手のシーズンは始まりました。

根尾選手の打撃成績を見ると、両リーグを通してワースト1位を記録した三振の多さが目につきます。

元よりパワータイプの打者ではなく、俊足巧打を武器に1番や3番打者を担うタイプの選手を期待されていただけに、三振数の多さは意外でした。

これはプロの変化球の対応へ苦しんでいることが原因。根尾選手は「プロの変化球は受け身では打てないし、見極められない」と語っています。

しかし三振数について石井打撃コーチは、「打ちに行って見極めることを体得するためには仕方ない。今は疲れでスイングスピードが落ちているが、当てにいくことなく確率を上げることが大事」と語ります。

根尾選手の打撃はスイングスピードの速さとインパクトの強さ、フルスイングが魅力です。森野打撃コーチも根尾選手のスイングスピードについて、プロでもあまり見ない速さを絶賛。今はその良さを潰すことなく、打者として大きく開花するために必要な経験であると、石井コーチ・森野コーチは考えていました。

そして根尾選手の特徴である、卓越した前さばきの能力と修正能力の高さで、打撃フォームも変わってきました。オープン戦や二軍開幕時は振ることを意識し身体を反り返らせていましたが、脚を上げるタイミングが早くなり打つポイントがより前になったように感じます。

そしてバットを鞭のようにしならせ、身体の軸を中心に腰の回転で飛ばす打撃は健在。石井コーチは「将来的にホームラン打者になるのか、アベレージ打者になるのか、今はどちらとも言えない。土台がないと方向性は見えませんからね」と将来へ向け、あくまでも土台作りを強調していました。

中日ドラゴンズ・根尾昂選手の成績・守備編

71試合 116刺殺 169捕殺 16失策 29併殺
※ウエスタンリーグ7月26日現在
※根尾選手は1試合のみ三塁手として出場記録がありますが、今回は遊撃手のみの成績を掲載しています。

守備に関しては、失策数が両リーグワースト1位を記録した根尾選手。中日ドラゴンズ黄金時代を支えた守備の名手・荒木コーチは、「高校時代は投手もやっていて、プロに入って遊撃手に転向したようなもの。まだ身体がちゃんと使えてない。実践で対応する身体の部分が備わってない」と、まだ土台作りの段階であることを語ります。

スキーで強靭な足腰を鍛えた根尾選手は、独特な身体の使い方をすると言います。だからこそ荒木コーチは基本的な足の使い方を一から学ぶことが重要と考え、聞きたいことがあったらいつでも電話するように、と電話番号を渡しているそうです。

小笠原二軍監督は根尾選手の守備について「肩は強い。最近はそつなくやっていると思う」と語り、「細かいことを言えば無駄な動きも多く、試合ではいろいろなことが必要となってくる。まだまだだからこそ、あえて試合に出して経験を積ませている」と厳しい目を向けます。

しかしこの言葉は、プロの選手として根尾選手を真剣に評価している証拠。現役時代に誰よりも努力を重ねた小笠原監督と荒木コーチだからこそ、厳しくも愛ある助言は根尾選手に響くのでしょう。

中日ドラゴンズ・根尾昂選手 今季の一軍出場は?

小笠原二軍監督は根尾昂選手の現状について「いろんなことを愚直に吸収しようという向上心は見えます。劇的に変わったわけではなく徐々に階段を上っていますが、持っている才能だけでプロに入ってきたところもあるので、それをベースに大きく育ってほしい。

今は土台作りの時期。打撃・守備・走塁の基本はもちろん、基礎体力や感覚だけに頼らない身体の使い方も勉強していかないと」と語り、一軍昇格には慎重な姿勢をみせています。

しかし7月のみの成績で打率3割を超え、ドラフト直後から「一軍で見たい」と語る与田剛監督の希望で、7月13日一軍の全体練習に特別参加が実現。今季の一軍昇格の可能性については、このまま打撃の好調さをキープすれば代打や代走で起用する可能性はあると語ります。

また「今後、根尾と話し合わなければいけないが、いろんなポジションをやるのも試合に出るためには必要。器用な選手なので外野もすぐにできるだろう」とも考えている様子。

思い起こせば荒木コーチも、守備での一軍初出場は外野でした。実質、複数ポジションの練習は秋季キャンプからとしていますが、今後の根尾選手の育成方法についても注目が集まるところです。

高卒でプロ入りして即活躍できる選手は本当にごくわずかで、これまで多くの偉大な選手もルーキー時代はプロの壁に苦しんだものです。

根尾選手のこれからの成長及び活躍を一ファンとして気長に待ちたいものですね。

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