2019年ドラフト総括【セ・リーグ編】

どうもマツローです。

10月17日(木)、運命のドラフト会議が行われ、2019年の注目選手と言われた星稜高・奥川恭伸選手、大船渡高・佐々木朗希選手、東邦高・石川昴弥選手に3球団からの1位指名が集まりました。

そんな2019年ドラフト会議、セ・リーグ6球団の全指名をまとめました。

また、1位指名を受けた選手紹介とその経緯、1位指名以外の注目選手についても、簡単にご紹介します。

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2019年ドラフト総括【パ・リーグ編】

2019年10月27日

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読売ジャイアンツ 未来を見据えた素材型ドラフト

1位 堀田賢慎(青森山田・投手)

2位 太田龍(JR東日本・投手)

3位 菊田拡和(常総学院高・外野手)

4位 井上温大(前橋商高・投手)

5位 山瀬慎之助(星稜高・捕手)

6位 伊藤海斗(酒田南・外野手)

育成1位 平間隼人(徳島インディゴソックス・内野手)

育成2位 加藤壮太(武蔵ヒートベアーズ・外野手)

1巡目で奥川投手・宮川投手を指名。抽選で外しますが、佐々木投手に隠れたもう一人の東北の逸材・堀田投手との交渉権を獲得しました。近年、NPBにジワリと広がる青森勢の堀田投手は、昨夏より評価をあげている最速151km/h右腕。多彩な変化球を操り、制球力もある本格派です。

2位指名の太田投手以外はすべて高校生ですが、太田投手も入社2年目と若く、優勝チームの余裕を感じる未来を見据えたドラフトとなりました。

太田投手はれいめい高時代、オリックス山本投手・ヤクルト梅野投手らと並び「九州四天王」と呼ばれた右腕

そして5位指名には、星稜高・奥川投手と中学以来バッテリーを組んでいた山瀬捕手を指名。奥川選手とはここで道を分かつことになりますが、同じセ・リーグ球団への入団ですので対戦を楽しみにしましょう。

横浜DeNAベイスターズ 高校生No.1遊撃手を単独指名!

1位 森敬斗(桐蔭学園・内野手)

2位 坂本裕哉(立命館・投手)

3位 伊勢大夢(明治大・投手)

4位 東妻純平(智辯和歌山・捕手)

5位 田部隼人(開成高・内野手)

6位 蝦名達夫(青森大・外野手)

7位 浅田将太(有明高・投手)

大卒の1位指名が多いことから森下投手の指名が予想されていましたが、筒香選手以来となる高校生野手1位で森選手を指名。ドラフト会議の1時間前に決断し、見事単独指名に成功しました。センターライン強化を軸に、高卒大卒・守備位置、共にバランスの良いドラフトとなりました。

高校生No.1遊撃手・森内野手は「由伸2世」と称され、地元神奈川が誇る・走攻守三拍子そろったリードオフマン。小学生の頃、観戦に訪れた巨人戦でラミレス監督と記念写真を撮り、握手をしてもらったエピソードがあります。

3位指名の伊勢投手は最速151km/hと、サイドスロー気味の投手としてはかなりの速球派。左右に投げ分けられる制球力もあり、即戦力が期待できる右腕です、6位指名の蝦名外野手は、西武・山川選手や外崎選手・秋山選手を育てた北東北リーグで、1年秋に打点王・4年春に本塁打王・4年秋に首位打者を獲得し、4度のベストナインに輝いた注目選手です。

阪神タイガース ロマン枠拡大!甲子園のスター揃い踏み

1位 西純矢(創志学園・投手)

2位 井上広大(履正社高・外野手)

3位 及川雅貴(横浜高・投手)

4位 遠藤成(東海大相模・内野手)

5位 藤田健斗(中京大中京・捕手)

6位 小川一平(東海大学九州キャンパス・投手)

育成1位 小野寺暖(大商大・外野手)

育成2位 奥山皓太(静岡大・外野手)

1巡目で奥川選手を抽選で外しましたが、支配下選手指名の5選手が甲子園を経験しているという、甲子園のスターが集結したきらびやかなドラフトとなりました。

高校生四天王の一角を担う1位指名の西投手は、最速154km/hの本格派右腕。入団後チームメイトとなる西選手とは、遠い親戚にあたります。

高校通算49本塁打で2位指名の井上外野手は、阪神には少ない右のスラッガーで、レギュラーの年齢層が高く補強ポイントでもあった外野をカバーする良い指名。

6位指名の小川投手は大学入学直後に熊本の地震で被災し、練習場所もままならない中、渋谷のスクランブル交差点で募金を募ることもあったそうです。4年時はチームメイトの不祥事でリーグ戦に出られず、紆余曲折を経てのプロ入りです。

広島東洋カープ 大学生No.1右腕を単独指名!

1位 森下暢仁(明治大・投手)

2位 宇草孔基(法政大・外野手)

3位 鈴木寛人(霞ヶ浦高・投手)

4位 韮澤雄也(花咲徳栄高・内野手)

5位 石原貴規(天理大・捕手)

6位 玉村昇悟(丹生高・投手)

育成1位 持丸泰輝(旭川大高・捕手)

育成2位 木下元秀(敦賀気比港・外野手)

育成3位 畝章真(香川オリーブがイナーズ・投手)

佐々岡監督希望の即戦力投手・森下投手を大方の予想に反してなんと単独指名に成功。

2019年のドラフトBIG3である森下投手は最速155km/hを誇る大学生No.1・右腕で、打撃力も高評価であることからセ・リーグ向きと言えます。広島投手陣には大学の先輩にあたる野村選手や同じ九州出身の大瀬良選手もいるので、環境的にも馴染みやすいのではないでしょうか。

2位指名の宇草外野手は、常総学院高3年時に春のセンバツを経験。大会タイ記録となる1試合5盗塁を決めた俊足の持ち主で、今春はベストナインも受賞しました。

3位指名の鈴木投手は魔球と称されたスライダーが武器で、今季活躍した遠藤投手の後輩です。入団当時の遠藤投手より評価が高く、ワンポイントとしての起用なら早い時期からの活躍も期待できるかもしれません。先発に苦しんだ今季をふまえ即戦力投手を獲得たことが大きく、全体的に即戦力・将来性・投手・野手とバランスの良いドラフトとなりました。



中日ドラゴンズ 強打のセンバツ優勝投手を獲得!

1位 石川昴弥(東邦高・内野手)

2位 橋本侑樹(大商大・投手)

3位 岡野祐一郎(東芝・投手)

4位 郡司裕也(慶応・捕手)

5位 岡林勇希(菰野高・投手)

6位 竹内龍臣(札幌創成高)

育成1位 松田亘哲(名大・投手)

ドラフト会議直前に石川内野手の1位指名を公言。3球団の競合となりましたが、与田監督が昨年の根尾選手に引き続き、強運を見せつけました。

石川内野手は今春センバツの優勝投手ですが、高校通算55本塁打という強打の持ち主で、野手としてのプロ入りです。長打力に加え広角に打てる技術も兼ね備えており、将来は昨年1位指名の根尾選手との三遊間コンビや、共に中軸を担う活躍を期待します

そして2位指名に橋本投手・3位指名に岡野投手と、補強ポイントである即戦力投手を指名。橋本投手は今春の全日本選手権で完投勝利を飾り、秋のリーグ戦でノーヒットノーランを達成した期待の左腕です。

また、6位指名の竹内投手は、道内では評判の八木スカウトの隠し玉。育成指名となった松田投手は高校時代はバレーボール部に所属し、名古屋大学で野球を再開した異色の秀才左腕です。名古屋大学からのドラフト指名は同大学初の快挙で、地元のファンからも期待のかかる選手です。

東京ヤクルトスワローズ 高津新監督、最高の船出!

1位 奥川恭伸(星稜高・投手)

2位 吉田大喜(日体大・投手)

3位 杉山晃基(創価大・投手)

4位 大西広樹(大商大・投手)

5位 長岡秀樹(八千代松陰高・内野手)

6位 武岡龍世(八戸学院光星・内野手)

1位指名は2019年のBIG3・奥川投手に3球団競合し、高津監督が抽選で見事に引き当てました

奥川投手は、最速158km/hの速球と高速スライダーで三振の山を築く、夏の甲子園準優勝右腕。完成度としては高校生四天王No.1投手です。

そして2位指名の吉田投手は、明治大・森下投手に次ぐ実力者。小川選手の後輩である3位指名・杉山投手は、2年秋・3年春と連続でリーグ最多勝を獲得。MVP・ベストナインを受賞した経歴を持ちます。

奥川投手も即戦力に近いと考えると、4位指名までは補強ポイントであった即戦力投手を指名することに成功。5位・6位で将来を見据えた内野手を指名し、ほぼ理想に近いドラフトとなりました。

2019年セ・リーグのドラフト会議を評価

2019年のドラフト会議は、例年に比べ球団の特徴に合わせた個性あふれる指名が多くみられました。

選手の潜在能力には計り知れないものがあり、現在の期待値がそのまま将来に結びつくとも限らないので、うまく補強ポイントを網羅した球団を上位評価すると、セ・リーグで一番良い指名ができたのはヤクルトではないでしょうか?

1位で奥川投手を引き当てた時点で既に良いドラフトだといえますが、今季苦しんだ先発の穴を埋めるべく即戦力投手の指名に徹した手腕は鮮やか。年齢層の高い外野手を指名できれば完璧だったと思います。

そして広島も、投手に関してはほぼ理想通り。しかし田中選手・菊池選手・鈴木選手が移籍する可能性を考慮し、即戦力内野手や強打者をもう少し指名しておきたかったところです。

中継ぎ強化と将来の中軸候補の野手という補強ポイントをうまく指名できた中日は、大島選手・平田選手に次ぐ外野手指名ができなかったのが残念。
巨人は選手層が厚いので素材重視は良いのですが、やはり即戦力クラスの外野手が手薄に感じます

阪神は将来性に期待ができる選手をバランスよく指名しましたが、やはり打線の強化と次期正捕手を考えると、もう少し大学社会人も欲しいところ

横浜は補強ポイントであった右の先発タイプを指名できなかったのが悔やまれますが、即戦力の中継ぎ候補を獲得できたのは良かったのではないでしょうか。

今回のドラフト会議で晴れてプロ野球選手としてスタートラインにたった選手たち、今後の活躍を楽しみに待ちたいですね!

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