2019年ドラフト総括【パ・リーグ編】

どうもマツローです。

10月17日(木)ドラフト会議が行われ、2019年の注目選手のひとりである大船渡高・佐々木朗季選手には、パ・リーグ4球団からの1位指名が集まりました。

今回は2019年ドラフト会議、パ・リーグ6球団の全指名をまとめます。

複数球団からの競合など、1位指名を受けた経緯や1位指名の選手紹介、1位指名以外の注目選手についても、簡単にご紹介します。

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2019年ドラフト総括【セ・リーグ編】

2019年10月19日

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埼玉西武ライオンズ 即戦力投手中心に支配下指名最多!

1位 宮川哲(東芝・投手)

2位 浜屋将太(三菱パワーシステムズ横浜・投手)

3位 松岡洸希(武蔵ヒートベアーズ・投手)

4位 川野涼多(九州学院高・内野手)

5位 柘植世那(Honda鈴鹿・捕手)

6位 井上広輝(日大三高・投手)

7位 上間永遠(徳島インディゴソックス・投手)

8位 岸潤一郎(徳島インディゴソックス・外野手)

育成1位 出井敏博(神奈川大・投手)

前日に公言した佐々木投手を1巡目で指名するも抽選で外し、宮川投手を巨人と競合の末獲得。

2位指名に浜屋投手を指名し、左右の実力のある社会人投手を獲得することに成功しました。

3位指名では、独立リーグから高卒1年目のサイドスロー右腕、“林昌勇2世”と謳われる松岡投手を指名し、上位はバラエティに富んだ投手指名です。

宮川選手は上武大時代に指名漏れを経験。東芝でストレートの質を磨き、好調時には2600回転を計測するという最速154km/hのストレートと、カットボールなどの4種類の変化球を手にしました。タフで先発でも中継ぎでも厭わないのも魅力です。

浜屋投手は樟南高時代から注目された左腕。

8位で指名された岸外野手は明徳義塾高ではエースで4番でしたが、拓殖大進学後は故障に苦しみ中退。しかし野球を諦めきれず昨年独立リーグへ入団し、外野手で復活した苦労人です。恵まれた才能を、次は外野手で活かしてほしいですね。

福岡ソフトバンクホークス 未来を背負う野手ドラフト

1位 佐藤直樹(JR西日本・外野手)

2位 海野隆司(東海大・捕手)

3位 津森宥紀(東北福祉大・投手)

4位 小林珠維(東海大札幌・内野手)投手

5位 柳町達(慶応・内野手)

育成1位 石塚綜一郎(黒沢尻工高・捕手)

育成2位 大関友久(仙台大・投手)

育成3位 伊藤大将(八戸学院光星高・内野手)

育成4位 勝連大稀(興南高・内野手)

育成5位 舟越秀虎(城北高・外野手)

育成6位 荒木翔太(千原台高・内野手)

育成7位 村上舜(山形中央高・投手)

直前まで佐々木投手の1位指名を匂わせるも、東邦高・石川内野手をサプライズ指名。実は今夏前に1位指名を決めていたというから驚きです。

今季はルーキーの甲斐野選手をはじめ、高橋礼選手・高橋純平選手といった若手投手が躍進。一方、内川選手や松田選手も30代後半となり、野手が欲しいという現場の声を反映しての指名でした。

結果、石川内野手は抽選で外しますが、課題の野手・佐藤外野手を指名。佐藤外野手は足と肩に関しては既にプロレベルにあると言われており、将来トリプルスリーも狙える強肩右打者です。

そして高谷捕手の年齢も考慮し、自身「海(かい)キャノン」とアピールする大学No.1捕手・海野捕手を2位指名。

唯一の投手指名となった津森投手は、和歌山東高時代にサイドスローへ転向した右腕で、最速149km/hのストレートが武器です。

育成では7選手を指名。高校生を中心に、岩手公立校の強肩捕手・石塚捕手や好守にバランスの良い伊藤内野手など、将来が楽しみな選手が目白押しです。

東北楽天ゴールデンイーグルス 上位に即戦力内野手を指名

1位 小深田大翔(大阪ガス・内野手)

2位 黒川史陽(智辯和歌山高・内野手)

3位 津留崎大成(慶大・投手)

4位 武藤敦貴(都城東高・投手)

5位 福森耀真(九産大・投手)

6位 瀧中瞭太(Honda鈴鹿・投手)

7位 水上桂(明石商高・捕手)

育成1位 江川侑斗(大分高・捕手)

育成2位 小峯新陸(鹿児島城西高・投手)

育成3位 山崎真彰(ハワイ大・内野手)

育成4位 沢野聖悠(誉高・内野手)

楽天は地元のスター・佐々木投手を抽選で外し、内野・盗塁の補強として上位指名候補にあげていた桐蔭学園の俊足内野手・森内野手を、ベイスターズに単独指名されてしまいます。その結果、今季ブレイクした阪神・近本選手の後輩となる小深田内野手を指名しました。

小深田内野手の堅実な守備と俊足は初年度からの活躍が期待でき、粘りの打撃も魅力。そして長打力が期待できる逸材として、2位に黒川内野手・4位で武藤外野手の指名に成功しました。

3位の津留崎投手は高校2年秋からエースとして活躍していましたが、3年時に右肘内側側副じん帯断裂で手術を受けます。リハビリを経て、今では最速150km/hを投げられるまでに回復しました。

育成では、今ドラフトの隠し玉・山崎内野手を指名。東京学館浦安高卒業後に東京国際大を中退してハワイ大に編入した、異色の経歴を持つ内野手です。3年時にMLBのドラフトでも指名候補に挙がっていた実力に期待しましょう。

千葉ロッテマリーンズ バランスよく少数精鋭の指名

1位 佐々木朗希(大船渡高・投手)

2位 佐藤都志也(東洋大・捕手)

3位 高部瑛斗(国士館大・外野手)

4位 横山陸人(専大松戸高・投手)

5位 福田光輝(法政大・内野手)

育成1位 本前郁也(北翔大・投手)

育成2位 植田将太(慶大・捕手)

2019年ドラフトBIG3のひとりで4球団の競合となった佐々木投手を、井口監督が2年連続抽選で引き当てました。佐々木投手は言わずと知れた高校生史上最速の163km/hという記録を持つ怪物投手。投手育成に定評のある吉井投手コーチの手腕に期待がかかります。

そして2位で強打・強肩で俊足の佐藤捕手を指名。佐藤捕手は聖光学院時代から強肩・俊足捕手として注目されていましたが、指名漏れを経験し東洋大で打撃を磨きました。佐藤捕手は、8月に行われた高校日本代表vs大学日本代表での佐々木投手の球を思い返し、早くもバッテリーを組むことを楽しみにしています。

2位以下は大学生を中心に、高齢化が進む外野手には安打製造機と言われた高部外野手、不安定な中継ぎ対策にサイドから切れ味鋭いストレートを投げ込む横山投手などを指名。12球団最小指名ながら、補強ポイントを的確に埋める良い指名となりました。

北海道日本ハムファイターズ 即戦力で投手の立て直し狙う

1位 河野竜生(JFE西日本・投手)

2位 立野和明(東海理化・投手)

3位 上野響平(京都国際高・内野手)

4位 鈴木健矢(JX-ENEOS・投手)

5位 望月大希(創価大・投手)

6位 梅林優貴(広島文化学園大・捕手)

7位 片岡奨人(東日本国際大学・外野手)

育成1位 宮田輝星(福岡大・外野手)

育成2位 樋口龍之介(新潟アルビレックスBC・内野手)

育成3位 長谷川凌汰(新潟アルビレックスBC・投手)

これまで高校生中心だったドラフトから一転。今季は先発不足でも苦しみ、投手を立て直すべく大卒社会人といった即戦力重視の指名となりました。1位指名では佐々木投手を抽選で外し、外れ1位指名で3球団が競合した河野投手を引き当てました。

河野投手は鳴門高時代、エースとして同校をベスト8へ導き、JFE西日本で技巧派左腕に成長。2位に右腕の立野投手、4位にサイドスローの鈴木投手を指名し、左右の即戦力に加えて幅のある投手力強化に期待が高まります。そして7位で地元・北海道出身の片岡外野手を指名し、西川選手の後継者候補獲得にも余念がありません。

育成での指名となった樋口内野手は、強打を武器に横浜高時代は3季連続で甲子園に出場。立正大を経て入団した新潟アルビレックスでは、打撃3部門でリーグベスト5入りを果たしたパワー溢れる内野手です。

オリックスバファローズ 社会人指名0!育成に力を入れる

1位 宮城大弥(興南高・投手)

2位 紅林弘太朗(駿河総合高・内野手)

3位 村西良太(近畿大・投手)

4位 前佑囲斗(津田学園高・投手)

5位 勝俣翔貴(国際武道大・内野手)

育成1位 佐藤一磨(横浜隼人高・投手)

育成2位 谷岡楓太(武田高・投手)

育成3位 中田惟斗(大阪桐蔭高・投手)

育成4位 平野大和(日章学園高・外野手)

育成5位 鶴見凌也(常磐大高・捕手)

育成6位 大下誠一郎(白鴎大・外野手)

育成7位 佐藤優悟(仙台大・外野手)

育成8位 松山真之(富山サンダーバーズ・投手)

石川内野手・河野投手と2度の抽選を外し、興南高の本格派左腕・宮城投手を指名。今季は若手投手が台頭し即戦力にこだわる必要がないため、社会人指名は0・高校大学生中心のドラフトとなりました。

支配下選手指名は5選手と最少タイ。育成ドラフト史上最多タイとなる8選手を指名したことからも、育成に力を入れるチーム方針が伺えます。

チーム事情として左腕・内野手が手薄であることから、高校生No.1左腕・宮城投手、将来有望な内野手に紅林内野手・勝俣内野手を指名。2年連続甲子園に出場した宮城投手は、小柄ながら最速149km/hを投げ込むパワフルさが魅力。紅林内野手は、高校通算40本塁打の大型遊撃手。柔らかいハンドリングと正確な送球には定評があり、長打力不足のオリックスにおいて早くから活躍できる可能性があります。

そして3位指名の村西投手は、サイドスローからの最速152km/hのストレートが武器。中継ぎや抑えとしても期待ができる右腕です。

2019年パ・リーグのドラフト会議を評価

2019年のドラフト会議では、何といっても球史を塗り替える可能性を持つ佐々木投手を獲得したロッテが、最も評価の高い球団です。佐々木投手獲得もさることながら、2位で佐藤捕手を指名できたことも高評価。チーム事情を鑑みると万が一の場合、高齢化が気になる外野手としての期待もできます。投打・即戦力・将来性にバランスの良い、会心のドラフトだったのではないでしょうか?

支配下の指名最多となった西武は、投手・即戦力重視の指名に、2年連続日本シリーズ出場を逃した悔しさを感じます。しかし秋山選手移籍の可能性を考慮すると、もう少し上位で野手を指名しておきたかったところ

抽選を2度外したオリックスですが、将来有望な高校・大学生を次々と指名したのは清々しさを感じました。若手投手が育ちつつある環境下でさらに競わせ、土台から強いチーム作りを目指す覚悟が伝わってきます。

そして投手に若手有望選手が揃っているソフトバンクは、野手の世代交代を見据えての指名でした。しかし本来は、未来を担う強打者を望んでいたはずなので、多少狙いが外れた印象

日ハムも、先発だけでなく長打力不足にも苦労した今季を振り返れば、もう少し上位で強打者を指名しておきたかったところです。

楽天は確かに内野手・盗塁は課題ですが、チームには左打者が多く、できれば右の強打者を狙いたかったのではないでしょうか。また嶋選手退団が予想されていたにもかかわらず、有望な捕手が多い今ドラフトで即戦力捕手を指名できなかったのは残念に思います。

2019年のドラフト会議は、例年に比べ球団の補強ポイントを重視した指名が目立ち、パ・リーグに関しては、サイドスロー投手が例年より多く指名を受けています。

すべての選手に光り輝く未来が待ち受けていることを、私たち野球ファンも心待ちにしましょう。

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