プロ野球戦力外通告 選手を続ける事は難しい?引退した選手達の「第二の人生」はどうなる?

どうもマツローです。

福岡ソフトバンクホークスの日本一制覇、高校生ヒーロー達のドラフト会議指名でシーズンが終わりを迎えた2019年の日本プロ野球。

しかし、夢舞台の裏では「戦力外通告」という、野球選手として現役を続けられるかどうか、追い込まれる人達が出てくる季節です。

今回は、「戦力外通告を受けた選手達は現役を続けられるのか?」また、「結果として引退に追い込まれた選手達は第二の人生をどうするのか?」について紹介していきます。

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日本のプロ野球選手の「戦力外通告」ルール概要

「支配下登録」となる選手の契約期間は2月1日~11月30日の間、チームが翌シーズンも特定の選手との契約を希望する場合は11月末日までに次年度の『契約保留選手名簿』に登録されます。該当しない選手は「自由契約」の扱いになり公に発表されます。

しかし、11月末日となると次シーズンへのチームの戦力編成が進んでいる為、入団テストを受けての所属先を探すには厳しい状況であり、他のチームに入団するチャンスを得る為に早く自由契約を知らせる手段として「戦力外通告」が存在します。

但し、2006年オフに当時オリックスバファローズに所属していた選手が起こした問題により、選手側に戦力外通告を知らせる期間を厳しく取り決める対策が行われ、「選手側が自由契約を選択出来る場合の契約提示」も含めた通知を以下の期間で行わなくてはならなくなりました。

・第一次通告:10月1日~クライマックスシリーズ開幕前日までの間
・第二次通告:クライマックスシリーズ終了翌日から日本シリーズ終了翌日まで

現役続行を希望する選手は「12球団合同トライアウト」への参加や、球団の秋季キャンプに練習参加して合格し、契約先のチームを探す事が可能です。

プロ野球選手を続ける為には「12球団合同トライアウト」を受験。待っているのは狭き門!!

前の話題でも挙げた通り、戦力外通告を受けたプロ野球選手は次の働く場所を決めなければいけません。働き先を探す為に選手達は『12球団合同トライアウト』を受ける事となります。

毎年、シーズンが終わった11月に合同のトライアウトが1日限定で行われます。トライアウトを受ける選手達は、各プロ球団から集まってきたスカウトやチーム関係者の前で自身のプレーを売り込み、次のシーズンも選手として契約してもらえるよう必死にアピールを続けます。

合同トライアウトは、TVのニュースでも毎年取り上げられる程の話題となり、特集番組も組まれる注目度です。

また元中日ドラゴンズ監督の落合氏も合同トライアウトの場を“宝の山”と表現し、かつてはトライアウトを受けていた河原純一投手を獲得し翌年見事に復活を遂げたというエピソードあります。

なお合同トライアウトは、2013年から一般公開も始まり、初年度は約1万人の一般の観客が無料で見学に訪れました。以降、毎年開催される際は5000人前後の観客が見学に訪れています。

トライアウトで何人合格出来るのか? そして、合格出来なかった選手達の「第二の人生」

以下、ここ5年間で12球団合同トライアウトを受験した選手達の人数と合格者数の数字を挙げていきます。

合同トライアウトの参加者と合格者数
・2014年 78人受験→11人合格(この年は2度の開催):合格率14%

・2015年 46人受験→4人合格:合格率14%

・2016年 63人受験→3人合格:合格率9%

・2017年 51人受験→2人合格:合格率4%

・2018年 48人受験→3人合格:合格率5%

ご覧通り、年々トライアウトで合格する選手の人数が減っており、厳しい現実を見る事が出来ます。

この5年間トライアウトを合格した選手の中で、現在も現役としてプレー出来ている選手は2019年シーズン終了時点で僅か「5人」です。

現役を続ける事を諦め、引退した選手達の「第二の人生」

次に自由契約となった選手がその後どのような仕事に就いたかの割合ですが、2018年に公表されたNPB(日本プロ野球機構)の調査によると以下の通りです。

元プロ野球選手の就職先
・チームとの再契約やコーチ、球団スタッフとして残留した人…49%

・アマチュアリーグのチームへの入団や解説者、評論家になった人…21%

・一般の会社への就職や、自営業、会社起業した人…16%

ご覧の通り、プロ野球の世界に残れるのは1/2、更に選手を続ける事が出来るのはごく一握りという厳しさです。一般の会社に就職する人も居ますが、学生時代、勉強よりも野球部での部活動ばかりに打ち込んでいた為、社会へ馴染めず中々定着出来ないという問題があります。

2019年もプロ野球各チームは2020年シーズンに向けての戦力外通告を選手達に通知しました。その人数は、日本シリーズが終了した時点で合計「102人」(引退表明した選手を除く)にも上ります。

果たして、この中で何人が、プロ野球選手として生き残れるのか、注目していきましょう。

まとめ

近頃は地上波テレビ放送は減ったといえ、依然子ども達への人気があり、将来の憧れの職業で男の子の中では必ず上位に入ってくる「プロ野球選手」

しかし、プロ野球選手として活躍出来る人はほんの一握りであり、長く現役を続けていける人も僅かです。努力が実り夢が叶えられたとしても、選手として働ける期間は「9年程度」と言われています。

最短では1年~2年で解雇・自由契約が待っている厳しい世界で、選手達は自分の夢を叶える為に戦っています。一方でプロ野球選手は日々のトレーニングだけでなく、引退後の将来も見据えながら人生設計していく必要のある“厳しい世界”であるという風に感じ取りことができました。

11月に行われる『12球団合同トライアウト』、多数の選手が受けて、来年の働き先を探す為に戦うでしょうけれども、勇ましい姿をしっかり見て応援したいなと考えています。

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