【東京2020】東京オリンピック・WBC注目選手 今永昇太投手

どうもマツローです。

2019年11月に行われた第2回 WBSC プレミア12で、初優勝を果たした野球日本代表。

日本のエース・菅野智之投手不在の中、日本代表の左のエースとして存在感を示したのが今永昇太投手です。

左腕から繰り出される圧巻の投球は、2020年東京オリンピックやWBCでの活躍を期待させるものでした。

今回はそんな今永投手のプロフィールや経歴・投手としての特徴を、「投げる哲学者」とも呼ばれる名言を交えながらご紹介します。

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今永昇太投手のプロフィール・経歴

選手名  :今永昇太(いまなが しょうた)
出身地  :福岡県
生年月日 :1993年9月1日
身長体重 :177cm・82kg
ポジション:投手
投球・打席:左投左打
経歴   :北筑高→駒沢大→横浜DeNAベイスターズ

今永昇太投手は、多くのプロ野球選手が中学時代から全国で名をあげているのに対し、中学時代は野球強豪校から声もかからず、地元の進学校・北筑高で自身の腕を磨きました。

高校3年時にはプロから注目を集めるほどの選手になったのですが、身体も技術もまだまだ未熟と感じ、プロ野球志望届は出さず駒沢大へ進学します。

大学4年間で最優秀投手賞2回・MVP・ベストナインなどを受賞し、ついに大学No.1左腕へと昇りつめます。

そして2015年のドラフト会議で横浜DeNAベイスターズから1位指名を受け、今永投手のプロ野球人生は始まったのです。

今永昇太投手のレギュラーシーズン・国際試合成績

DeNAに入団した今永昇太投手は初年度から先発ローテーション入りし、8勝9敗・防御率2.93を記録。

開幕当初は厳しい状況が続き、4月はリーグ最低の得点援護率(RS)、開幕5試合の先発登板で4回のクオリティスタート(QS)を達成しながら、なかなか初勝利を上げられませんでした。

しかし今永投手は開幕3連敗となってしまったときも「援護がないという言い訳は防御率0点台の投手だけが言える」と気丈にコメント。6試合目でプロ初勝利をあげ、強い精神力でルーキーイヤーを乗り越えました。

結果、前年度最下位だったチームをチームを、初のクライマックスシリーズ進出へ導いたのです。

2年目の2017年はチーム最多となる11勝をあげ、チームは2年連続クライマックスシリーズ進出、そして19年ぶりの日本シリーズ進出を果たしました。

しかし、2018年はオープン戦のさ中に左肩に違和感を覚え、わずか4勝に終わります。この結果を受け今永投手は「ピンチの時こそ成長できるチャンス」と自身を鼓舞し、秋季キャンプからフォーム修正に取り組みました。

秋季キャンプ後はオーストラリアン・ベースボールリーグへの派遣を志願するなど、新たなフォームに磨きをかけ、雪辱を誓います。

そんな今永投手にとって2019年は、まさに飛躍の年となります。初の開幕投手に始まり、初の月間MVP・オールスター初出場をかなえ、シーズン終盤は最多勝・最優秀防御率・最多奪三振のタイトル争いに参戦。

チーム最多の13勝・リーグ最多となる3完封をあげ、2年振りとなるクライマックスシリーズ進出に貢献しました。

2016年 22試合 8勝9敗 防御率2.93 奪三振136 チーム順位3位

2017年 24試合 11勝7敗 防御率2.98 奪三振140 チーム順位3位

2018年 23試合 4勝11敗 防御率6.80 奪三振80 チーム順位4位

2019年 25試合 13勝7敗 防御率2.91 奪三振186 チーム順位2位

野球日本代表としては、2017年11月に開催された、「第1回アジアプロ野球チャンピオンシップ」で初選出。台湾戦に先発し、6回無失点。18のアウトの中で12のアウトを三振で取る素晴らしい内容で、チームの優勝に貢献しました。

2017年 第1回アジアプロ野球チャンピオンシップ
11月18日台湾戦 先発 6回 3安打 0本塁打 12奪三振 0失点

2018年 ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018(強化試合)
3月3日オーストラリア戦 中継ぎ 2回 1安打 0本塁打 4奪三振 0失点

2019年 ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019(強化試合)
3月9日メキシコ戦 先発 2回 1安打 0本塁打 4奪三振 0失点

2019年 ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019(強化試合)
11月1日カナダ戦 先発 3回 1安打 0本塁打 6奪三振 0失点

2019年 第2回WBSCプレミア12
11月13日メキシコ戦 先発 6回 1安打 1本塁打 8奪三振 1失点

WBCにはまだ選出されていませんが、今永投手はこれまで参加したすべての国際試合で僅か1失点という結果を残しており、日本代表の勝利に貢献しています。

今永投手はまさに今、「ハマのエース」から「日本の左のエース」へ成長を遂げつつあるのです。

では、そんな今永投手の投球の特徴を解説します。

今永昇太投手の投球フォーム・特徴

今永昇太投手の特徴のひとつに挙げられるのが、高い奪三振率です。最大の武器は球速以上に速く感じる、伸びのあるストレート。

球速は平均140km/h台ですが、好調時はストレートとわかっていても捉えるのが難しい伸びとキレを誇り、中継ぎ登板の際は最速152km/hを記録します。

そして、130km/h前半の「落ちるチェンジアップ」・チェンジフォークとカーブで緩急をつけ、140km/hのスライダーとカッターの中間と言われるスラッターを織り交ぜ、打者を三振に切って取ります。

この投球術を支えているのが、今永投手のコンパクトでしなやかな投球フォームです。「小さな箱の中で無駄なく回る」イメージで造り上げたシンプルなフォームは、テイクバックが小さいのが特徴。左手がギリギリまで身体に隠れているため、打者は急に腕が出てくるような感覚を覚えます。その結果、打者はストレートに差し込まれ、ポイントを前にすれば変化球に対応しにくくなり、ファールや空振りを量産します。

このコンパクトな投球フォームは国際試合でも有効。東京オリンピックやWBCでも優位に働くはずです。

しかしそんな今永投手でも、初回の入りは慎重。奪三振率の高い今永投手ですが初回は丁寧に打たせて取り、2019年は初回アウトの7割近くがフライアウトやゴロアウトでした。

先発投手にとって鬼門と言われる初回は丁寧な投球を心がけ、2019年初回被出塁率はセ・リーグ1位。出鼻をくじかれた打者は今永投手の術中に嵌り、スピンの効いた綺麗なフォーシームに三振を重ねる場面が、回を追うごとに増えていくのです。

2019年 初回アウトの内容
フライ39.2%
ゴロ 29.7%
三振 28.4%
ライナー2.7%

そんな今永投手は高校時代、他の投手のように「死ぬほど走る」といった猛練習をしたことがない、と語ります。それよりも体感の強さ・肩甲骨の柔らかさといった、投手としての土台となる身体作りが重要と考え、練習を重ねてきたそうです。

そんな今永投手の成長を見つめてきた高校の恩師は「野球に関しては非常にクレバーな投手」と語っています。

常に鍛錬を怠らない「投げる哲学者」・今永昇太投手

今永投手は高校時代の恩師に「エースはずっとエースでいなければならない」、そう教わったそうです。

その言葉を胸に今永投手は、「マウンドの上でも練習の時にも、グラウンドにインする時でもエースであれ」と語ります。「そうすればすべての行動に責任も生まれますし、適当な練習もできなくなる」というのが、今永投手の目指すエース像なのでしょう。

チームのために無理をすれば良いというものではありませんし、重篤な故障を発症している可能性もあるので報告は必要です。

しかし、少し四球を出せば自ら監督へ交代を志願する投手を見るにつけ、今永投手の言葉は「エースとは何か」を考えさせられる言葉でもあります。

登板した試合にただ勝てば良いというものでもなく、ペナントレースを左右する重要な試合を任され、すべての責任を託されるのがエース。その熱は投手陣に、やがてチーム全体に波及し、チームを優勝へ導く原動力になります。

そしてこうした強い心・日頃の鍛錬こそ、東京オリンピックやWBCといった大きな舞台で欠かせないマインドではないでしょうか。

2020年に行われる東京オリンピック・2021年に行われるWBCのマウンドで、今永投手が躍動する姿が楽しみですね。

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