【東京2020】東京オリンピック・WBC注目選手 山崎康晃投手

横浜DeNAベイスターズが本拠地で試合をリードし、最終回を迎えるとき、横浜スタジアムは「ヤスアキジャンプ」に揺れ、球場は興奮のるつぼと化します。

そんなDeNAに欠かせない選手が、山崎康晃投手です。かつて横浜ベイスターズには、「ハマの大魔神」・佐々木主浩氏が絶対的守護神として君臨していました。

山崎投手はその流れを受け継ぎ「小さな大魔神」と呼ばれ、DeNAのみならず侍ジャパンの守護神としてファンの厚い信頼を受けています。

今回は東京オリンピック・WBCでも活躍が期待される山崎投手のプロフィールや経歴・投手としての特徴をご紹介します。

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山崎康晃投手のプロフィール・経歴

選手名  :山崎康晃(やまざき やすあき)
出身地  :東京都
生年月日 :1992年10月2日
身長体重 :179cm・88kg
ポジション:投手
投球・打席:右投右打
経歴   :帝京高→亜細亜大→横浜DeNAベイスターズ

山崎康晃投手は少年時代、ひとりのプロ野球選手からサインをもらったことがきっかけで野球を始めます。その選手が、日ハム・森本稀哲氏でした。山崎投手は森本氏の後を追うように、帝京高へ進学。先発・中継ぎとして2年夏頃より頭角を現し、2年ぶりの甲子園出場に貢献します。3年春の選抜でも準々決勝まで進出しますが、NPBからの声はかからず、当時高い評価を受けていた亜細亜大へ進学します。

亜大では、のちにソフトバンクで活躍する2学年上の東浜巨投手と同部屋。1学年上には広島へ入団する九里亜蓮投手がいました。両投手の影響を受けて心身ともに成長した山崎投手は、1~2年時は中継ぎ・抑えとして、3年時は先発として活躍します。

そして東都リーグ戦・全日本大学野球選手権・明治神宮野球大会など、数々の大会でチームの優勝に貢献。4年時の東都春季リーグ戦では、すべて完投でリーグ最多の5勝を挙げると共に、防御率1.94でMVPに選ばれました。

2014年のドラフト会議でも1位指名候補と呼ばれるほどの成長を遂げた山崎投手は、横浜DeNAベイスターズより1位指名を受け、入団が決まりました。

山崎康晃投手のレギュラーシーズン・国際試合成績

2015年、オープン戦で中継ぎとして好成績をあげた山崎康晃投手は、前年にチームの抑えを務めていた三上朋也投手の故障により、ルーキーながら開幕から抑えを務めます。

結果この年は、新人記録となる9試合連続セーブや月間10セーブ、年間37セーブというNPB新人最多セーブ記録を樹立し、DeNAベイスターズ初の新人王を受賞しました。

この成績を受け、山崎投手は翌2016年も抑えとして活躍。前半だけで20セーブをあげるという前年を上回るハイペースを記録し、2年連続オールスターにも選出されます。8月以降は一時的にスランプに陥りますが、2年連続30セーブ以上の好成績を達成。ルーキーイヤーからの30セーブ以上を記録し、NPB史上初の快挙をあげました。

3年目の2017年は前年後半のような不調に陥り、一時期は中継ぎを経験します。しかし後半は抑えに復帰。チームも初のクライマックスシリーズを勝ち抜き、日本シリーズ進出に貢献しました。

4年目には完全復調し、日本人投手最速で通算100セーブを達成。翌2019年には26歳9ヶ月という若さで、通算150セーブの最年少記録を達成し、2年連続最多セーブ投手賞を獲得しました。

2015年
58試合 37セーブ 7ホールド 防御率1.92 奪三振66 チーム順位6位

2016年
59試合 33セーブ 7ホールド 防御率3.59 奪三振61 チーム順位3位

2017年
68試合 26セーブ 15ホールド 防御率1.64 奪三振84 チーム順位3位
※リーグ最多登板

2018年
57試合 37セーブ 3ホールド 防御率2.72 奪三振63 チーム順位4位
※リーグ最多セーブ

2019年
61試合 30セーブ 4ホールド 防御率1.95 奪三振54 チーム順位2位
※リーグ最多セーブ

野球日本代表では亜大在学中に開催された、「2014年第27回 ハーレムベースボールウィーク」で、抑えとして侍ジャパン大学代表に初選出。トップチームでは2015年シーズン終了後の「第1回WBSCプレミア12」で、日本代表デビューを果たしています。

2015年 侍ジャパン強化試合 
日本vsプエルトリコ
11月6日 1試合 1回 1安打 0本塁打 2奪三振 0失点 0セーブ(1勝)

2015年 第1回WBSCプレミア12
11月8日~11月21日 3試合 3回 0安打 0本塁打 3奪三振 0失点 0セーブ

2016年 侍ジャパン強化試合 
日本vsチャイニーズタイペイ
3月5日~3月6日 1試合 1回 0安打 0本塁打 0奪三振 0失点 0セーブ

侍ジャパン強化試合 
日本vsメキシコ代表・オランダ代表
11月10日~11月13日 3試合 2・1/3回 4安打 0本塁打 1奪三振 3失点 0セーブ

2017年 第1回アジアプロ野球チャンピオンシップ
11月16日~11月19日 2試合 2回 0安打 0本塁打 1奪三振 0失点 0セーブ

2018年 ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 
日本vsオーストラリア(強化試合)
3月3日~3月4日 1試合 1回 0安打 0本塁打 1奪三振 0失点 1セーブ

ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 
日本vsチャイニーズタイペイ(強化試合)
11月7日 1試合 1回 1安打 0本塁打 2奪三振 0失点 0セーブ

日米野球
11月9日~11月15日 3試合 3回 2安打 0本塁打 3奪三振 0失点 2セーブ(1勝)

2019年 ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 
日本vsメキシコ(強化試合)
3月9日~3月10日 1試合 1回 0安打 0本塁打 2奪三振 0失点 0セーブ

ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 
日本vsカナダ(強化試合)
10月31日~11月1日 1試合 1回 0安打 0本塁打 1奪三振 0失点 1セーブ

第2回WBSCプレミア12
11月3日~11月17日 5試合 5回 1安打 0本塁打 7奪三振 0失点 3セーブ

2017年に行われた第4回WBCでは指名選手枠で選出されるも、残念ながらWBC初出場とはなりませんでした。

「夢はオリンピックの守護神」と語る山崎投手。2020年東京オリンピックで代表選手に選ばれれば初選出となります。楽天で抑えを務めていた松井裕樹投手との守護神争いが予想されていましたが、松井投手は2020年より先発転向プランがあるため、現時点では山崎投手の抑えが濃厚と言われています。

山崎康晃投手の投球フォーム・特徴

2020年東京オリンピック・2021年WBCで「侍の守護神」を狙う山崎康晃投手の特徴は、最速153km/hのストレートと、フォークのような落差のあるツーシームです。

山崎投手の代名詞ともいえるツーシームは、他の選手の投げるツーシームより速度と落差があるため、“消えるツーシーム”と言われています。このツーシームは元々、亜細亜大時代にエースであった東浜投手の持ち球を後輩の九里投手が習得し、両選手が卒業後、ふたりの投球フォームの連続写真を毎日眺めて研究したもの。しかし東浜投手も九里投手も、山崎投手のツーシームほど大きな落差はありません。この変化について山崎投手は、大学3年時より自然と落ちるようになったと語っています。

そして山崎投手は、着地した左足が他の投手に比べて右打者の方に向く「インステップ投法」が印象的。山崎投手のインステップは通常のインステップより三塁側への踏み込みが大きく、より体をひねって投げているようにも見えます。一般的に極端なインステップは肩や腰への負担が大きいため、これまで何度も指導者よりフォーム改造を求められてきました。

しかし矯正すると身体が開いてしまう感覚があり、フォームを直すより股関節・足首の柔軟性を高めることで負担を減らすトレーニングを意識するようになったそうです。

他にも球数は少ないですが、スライダーや2種類のナックルボールを操ります。

屈辱も糧に「侍の守護神」・山崎康晃投手

今では侍の守護神としてチームメイトやファンの信頼を勝ち得ている山崎康晃投手ですが、心の中には今でも忘れられない辛い記憶を抱えています。

それは初の日本代表として選出された、2015年第1回WBSCプレミア12・準決勝の韓国戦でのこと。当時の山崎投手は、レギュラーシーズンでは新人セーブ記録を塗り替える活躍を見せていました。しかし日本代表戦ではビハインドの場面での登板が多く、準決勝の韓国戦では登板機会すらないまま、チームは終盤に逆転負けを喫しました。

次々と名前を呼ばれるチームメイトを送り出しながら、自分の不甲斐なさにもどかしさだけが募ったと語ります。

あれから数年、着々と実績を重ねた山崎投手の背中には、あの頃とは違う期待がのしかかります。しかし2020年の東京オリンピックでは、どんな重圧をもはねのけ、大歓声に迎えられてグラウンドに向かう山崎投手の姿がみられることでしょう。

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