【キューバ危機?】キューバ出身野球選手は何故亡命する!?実際に亡命した選手もご紹介

先日ソフトバンクホークスのオスカー・コラス選手がキューバから亡命したというニュースが流れました。

そこで今回は

・キューバの野球事情

・なぜキューバの選手が亡命するのか

・亡命後に活躍した選手

などについて紹介していきます。

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野球王国キューバ

キューバ野球の歴史

キューバは古くから野球が盛んな国でした。1900年代前半はキューバリーグとメジャーリーグの交流戦も行われており、キューバリーグの実力はメジャーリーグと比べても遜色なかったと言われています。

特に国際大会では無類の強さを発揮しており、バルセロナ、アトランタ、アテネオリンピックでは金メダル

シドニー、北京オリンピックでは銀メダルを獲得しており、他国のプロ相手でも十分に通用することを証明しています

キューバ選手の特徴

社会主義国のキューバでは年齢別に野球エリートを選抜し、国が育成するシステムがあります。

若い選手を国が選抜する際に重視するのはポテンシャル

パワーや肩、スピードなど後天的に身につけることが難しい能力を重視し、能力の高いコーチがテクニックは後で身につけるのです。

そのため、キューバ選手は身体能力が高い選手が高い技術を持っています

最近ではデスパイネやグラシアル、ゲレーロなど身体能力の高いキューバ出身選手がNPBで活躍する機会も多くなっています。

なぜキューバの野球選手は亡命するの?

キューバ選手は亡命して他国に移籍する選手も多くいます。

亡命とは政治的・経済的迫害を受けている人が国境を越えて外国に逃亡する行為で、船で渡ったり、国境にある壁を乗り越えたり大使館に逃げ込んで保護を求めるなど方法は様々ですが亡命に失敗し捕まってしまった場合、重い罰が科されます。

そんな危険な行為を行ってでも亡命するのはキューバ国籍ではMLBでプレーができないからです。

メキシコや日本や韓国のプロリーグではキューバ出身の選手が活躍していますが、国交がないアメリカではプレーができないのです。

実は、2018年には一度キューバ国籍の選手がMLBでプレーできる協定が結ばれましたがトランプ大統領が破棄したことにより、現在でもMLBではキューバ国籍の選手はプレーできません。

またキューバの野球選手は“公務員”という肩書で、給与に関しても通常の公務員とさほど変わらないそうです。

仮にMLBでプレーしてスター選手になれば数十億という年俸がもらえる訳ですから、待遇面が不満で亡命する選手も多く存在します。

実際にキューバから亡命した選手

では実際にキューバから亡命した選手はどのような選手がいるのでしょうか。

日本のプロ野球でも活躍した選手

①ユニエスキ・グリエル
グリエルはアテネ五輪、北京五輪、第一回〜第三回WBCにキューバ代表として活躍したキューバのスター選手でした。

2014年シーズン中にDeNAに入団し、2015年は開幕から来日する予定であったが、怪我を理由に来日せず、DeNA側は診断書の提出をキューバ政府に求めたが明確な返答は無く、契約解除となりました。

その後2016年に同じく野球選手の弟と一緒にハイチに亡命し、2019年シーズンはアストロズで31本の本塁打を放つなど活躍しています。

②アレックス・ゲレーロ
ゲレーロは2013年にハイチに亡命。

2015年はメジャー最多の106試合に出場するも打率.233、11本塁打、36打点と目立った成績は残せませんでした。

しかし、メジャーで2桁本塁打を打った長打力をかわれて中日が2017年に獲得、来日1年目で打率.279、35本塁打でホームラン王を獲得しました。

③レスリー・アンダーソン
アンダーソンは2009年のWBCにキューバ代表として選出されました。

2009年の9月にメキシコへ亡命し、MLBを目指してAAA級でプレーをするもMLBには昇格できす、巨人に移籍。

入団1年目の2014年には87試合の出場で規定打席未到達ながら打率.319。15本塁打、50打点とそこそこ活躍しました。

その後メキシコでプレーをしましたが目立った活躍をすることはできませんでした。

④ダヤン・ビシエド
中日の主軸打者として活躍をしているビシエド選手もキューバ出身で亡命経験がある選手です。

2008年にイカダに乗ってアメリカに上陸し、その後ドミニカで居住権を得ています。

AAA級ではオールスターに選ばれる活躍でメジャー昇格。

メジャーでは483試合に出場し、通算24本の本塁打を放っています。

その後は2016年に中日ドラゴンズに入団。2016年から2019年の4年間で84本の本塁打を放ち、打率も3割を超えるなど中日の主軸として活躍しています

⑤オネルキ・ガルシア
オネルキ・ガルシアは2018年に中日ドラゴンズ、2019年は阪神タイガースで活躍した投手です。

ガルシアは2010年にアメリカに亡命。

なんとキューバに妻子を残しての亡命でした。

メジャーでは目立った成績は残せていませんが中日ドラゴンズでは来日1年目から13勝(9敗)の好成績を残すなど日本のプロ野球では活躍しています。

メジャーリーグで活躍した選手

①レネ・アロチャ
アロチャは1991年に妻子を残してアメリカに亡命。

93年にはMLBで11勝と活躍します。アロチャの活躍をきっかけにキューバから亡命してメジャーリーグに挑戦する選手が急増しました。

アロチャはキューバ人メジャーリーガーの先駆け的な存在です。

②アロルディス・チャップマン
第2回WBCの対日本戦で先発したこともあるチャップマン。

チャップマンは2009年にアンドラに亡命しました。

チャップマンの最大の特徴は最速169.1km/hの豪速球で、この記録はギネス記録にも認定されている人類の最速記録です。

③ホセ・フェルナンデス
フェルナンデスは2005年に亡命を試みるも失敗して刑務所に服役されたこともあります。

2008年にボートでアメリカへの亡命に成功し、MLBのドラフト1巡目で指名されています。

最速161.3km/hの速球と縦に割れるスライダーですぐに頭角を現し、2016年にはマイアミ・マーリンズで16勝、防御率2.86と好成績を残しましたが、24歳という若さでボート事故によって命を落としました。

④ヨエニス・セスペデス
ヨエニス・セスペデスは第2回WBCにキューバ代表として出場し、ベストナインも受賞した名選手です。

2011年にドミニカ共和国に亡命。

2012年にオークランド・アスレチックスと契約すると初年度から打率.292、23本塁打を放つなどメジャーリーグで活躍しました。

その後も2015年、2016年シーズンには30本以上の本塁打を放つなどキューバ出身メジャーリーガーの代表的な存在です。

⑤ホセ・イグレシアス
ホセ・イグレシアスは2008年にAAA世界野球選手権大会のジュニアナショナルチーム代表としてカナダ滞在中に亡命しました。

打撃面ではやや非力な面もあるものの遊撃の守備ではメジャーの中でも高いレベルに達しています。

2015年にはデトロイト・タイガースの遊撃手としてレギュラーを獲得し、打率3割達成。メジャーリーグのオールスターにも出場しています。

まとめ

キューバからの亡命は危険も多いですが、メジャーに挑戦したいキューバの有力選手達は次々と亡命をしています。

今後も持ち前の身体能力と子供の頃からしっかりとした技術を身につけているキューバ出身選手の活躍の場は広がることが予想されます。

日本のプロ野球でもキューバ勢を主軸に据えて日本一になったソフトバンクのようにキューバ選手を獲得する球団も増えるかもしれませんが、キューバ出身選手はMLBでのプレーを求めて亡命するリスクがあることも考えておく必要があります。

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