巨人の大エースとして、また日本のエースとして、日本プロ野球界に幾多の勝利をもたらしてきた巨人・菅野智之投手。
そんな菅野投手にとって、2019年は入団以来最も厳しい1年でした。しかし2020年は東京オリンピックをはじめ、他にも菅野投手の今後を左右する記録達成がかかった1年です。
また、菅野投手の夢でもあるMLB挑戦についても、これまでポスティングシステムの利用を認めてこなかった巨人側から動きがあり、2020年は菅野投手の復活に注目が集まることでしょう。
今回は菅野投手のプロフィールやこれまでの経歴を振り返り、2020年東京オリンピックでの活躍や今季期待される記録などをご紹介します。
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菅野智之投手のプロフィール・経歴
出身地 :神奈川県
生年月日 :1989年10月11日
身長体重 :186cm・95kg
ポジション:投手
投球・打席:右投右打
経歴 :東海大相模高→東海大→読売ジャイアンツ
祖父は東海大相模高の原貢監督。伯父に巨人・原辰徳監督という野球一族に生まれた菅野智之投手は、子供の頃より投手を務め、東海大相模高時代にプロ野球界から注目を受けます。
しかし本人の「原監督の甥としてではなく、しっかりとした実力をつけてプロ入りしたい。」という強い希望から、プロ野球志望届は提出せず東海大へ進学します。
東海大では、2年春から4季連続で首都大学リーグの優秀投手を受賞。最速157km/hのストレートと4年秋に達成したリーグ新記録の通算14完封を引っ提げ、2011年ドラフト会議を迎えました。
ドラフト会議では明大・野村祐輔投手や東洋大・藤岡貴裕投手と共に大学BIG3の一角として注目を集めます。そして巨人・日ハムから1位指名を受け、抽選の結果日ハムが交渉権を獲得しました。
選手が意中の球団名を口にすることは禁じられておりますが、のちに菅野投手は子供の頃から巨人へ入団する事、そしてMLBへ挑戦する事が夢だと語っていることから、日ハムへは入団せず東海大の卒業延期制度を利用し大学に残ることを選択しました。
社会人野球や独立リーグ・海外のプロリーグへ進んだ場合2年間ドラフト会議に参加できませんが、菅野投手のように大学の施設を利用して浪人するならば、翌年のドラフト会議に参加することができます。こうして菅野投手は1年間の野球浪人期間を経て、2012年待望の巨人への入団が決まりました。
この浪人期間中菅野投手は、高校野球・NPB・MLBの試合を観戦したり、アリゾナ州へ渡り元中日・陳偉殷投手や王建民投手をはじめとするMLB選手との出会いがあったりと、「自分にとって特別な時間だった。」と語っています。
菅野智之投手のレギュラーシーズン・国際試合成績
満を持して巨人へ入団した菅野智之投手は、間膜より先発ローテ―ションを守り、勝利数・防御率・奪三振・イニング数でチームトップの成績を収め、優勝に貢献します。その後の活躍は言わずもがな。以下に成績をまとめました。
27試合 13勝6敗 防御率3.12 奪三振155 チーム順位1位
2014年
23試合 12勝5敗 防御率2.33 奪三振122 チーム順位1位
◆最優秀防御率・ベストナイン受賞
2015年
25試合 10勝11敗 防御率1.91 奪三振126 チーム順位2位
2016年
26試合 9勝6敗 防御率2.01 奪三振189 チーム順位2位
◆最優秀防御率・最多奪三振・ゴールデングラブ賞受賞
2017年
25試合 17勝5敗 防御率1.59 奪三振171 チーム順位4位
◆最多勝利・最優秀防御率・沢村賞・ベストナイン・ゴールデングラブ賞受賞
2018年
28試合 15勝8敗 防御率2.14 奪三振200 チーム順位3位
◆最多勝利・最優秀防御率・最多奪三振・沢村賞・ベストナイン・ゴールデングラブ賞受賞
※ポストシーズン史上初のノーヒットノーラン達成
2019年
22試合 11勝6敗 防御率3.89 奪三振120 チーム順位1位
野球日本代表は、東海大2年時の「第37回日米大学野球選手権大会」で侍ジャパン大学代表に初選出。トップチームではシーズン後の怪我や違和感で辞退したこともあり、2015年シーズン終了後の「第1回WBSCプレミア12」で、日本代表デビューを果たしました。
侍ジャパン強化試合 日本vsプエルトリコ
11月6日 1試合 2回 2安打 0本塁打 1奪三振 1失点 0勝
2015年
第1回WBSCプレミア12
11月8日~11月21日 1試合 3回 1安打 1本塁打 2奪三振 1失点 1勝
2016年
侍ジャパン強化試合 日本vsチャイニーズタイペイ
3月5日~3月6日 1試合 3回 1安打 0本塁打 4奪三振 0失点 1勝
侍ジャパン強化試合 日本vsメキシコ代表・オランダ代表
2017年
2017 WORLD BASEBALL CLASSIC
3月7日~3月22日 3試合 14回1/3 14安打 2本塁打 16奪三振 6失点 0勝
菅野投手は入団後初めて2桁勝利に届かなかった2016年、シーズン終了後の「侍ジャパン 野球オランダ代表 野球メキシコ代表 強化試合」にも選出されましたが、コンディションが思わしくなく出場機会はありませんでした。
しかし2017年はWBCでも小久保監督に「日本のエース」に指名され、レギュラーシーズンでも自身最高の成績を記録。WBCでは残念ながらベスト4に終わりましたがMLBからの評価は高く、千賀滉大投手と並び「すぐにでもメジャーで通用する逸材」と評されました。
オリンピックは2020年に選出されれば初となります。東京オリンピックについて菅野投手は、「生きているうちに1度あるかないか。絶対に出たいし、そこまで最前線でいたい。」と語っています。
菅野智之投手の投球フォーム・特徴
菅野智之投手の投球フォームは、かつての巨人のエース・斎藤雅樹投手を彷彿させるようなスリークォーター。最速157km/hのストレートにシュート・ツーシーム・ワンシーム・スライダー・真っスラ・カーブ・フォーク・カットボールなど、多彩な変化球を操ります。
投球の軸となるのはストレートにシュート・スライダー。東海大時代から制球力がよく、巨人入団当初は主に打たせて取る投球で、要所で三振を奪っていました。
しかし2016年以降、ストレートの質にこだわった菅野投手は指力を強化。スピン量が上がったことで速球で勝負する場面が増え、奪三振も多いパワーピッチャーに変貌します。そして他を寄せ付けない完璧な投手となっていったのです。
2016年
1位菅野智之(巨人・7.27)
2位石川歩(ロッテ・4.73)
3位則本昂大(楽天・4.32)
2017年
1位マイコラス(巨人・8.13)
2位秋山拓巳(阪神・7.69)
3位菅野智之(巨人・5.52)
2018年
1位岸孝之(楽天・5.48)
2位菅野智之(巨人・5.41)
3位上沢直之(日ハム・3.97)
2019年
1位美馬学(楽天・4.67)
2位有原航平(日ハム・4.03)
3位大瀬良大地(広島・3.89)
K/BBとは四球1つに対し、いくつ三振が奪えるかという指標で、投手の制球力を表します。菅野投手が毎年コンスタントに高い数値を記録していることから、制球力の良さ・奪三振の多さが伺えます。
2020年真価の時を迎える菅野智之投手、期待される活躍と記録
2019年シーズンは腰痛のため、シーズン通して不本意な成績となってしまった菅野智之投手。それまで春季キャンプでは、新たな変化球の習得など自身の投球に磨きをかけることに重点を置いていましたが、今菅野投手は、何よりも理想的なフォームや下半身の使い方といった基本的な見直しを行っているそうです。
具体的には、自身が体調面で最も好調を維持していた感覚がある、2017年の自分への回帰。腰痛は9割方治っており、理想的なフォームを手に入れるため、充実したトレーニングを行っているのだとか。
そんな菅野投手ですが、あと13勝で通算100勝という記録が迫ってきています。さらにあと14試合以内に達成すれば、NPB史上最速での100勝達成という大記録となるのです。
2020年シーズン前半に記録を達成すれば、東京オリンピックへ向け完全復活をアピールできますし、昨年の成績で評価を落としてしまったMLBへもアピールすることができます。つまり菅野投手にとって2020年シーズン前半の活躍は、菅野投手の今後を左右する非常に重要なポイントなのです。
折しも巨人は、2019年オフに山口俊投手のポスティングシステム利用を容認したばかり。巨人では初の同制度利用となりますが、今村司球団社長は今後も認める可能性を示唆しています。
菅野投手に関しては、順調なら21年に海外FA権を取得し22年にもMLB移籍が予想されていましたが、2020年完全復活を遂げて誰もが認める成績を残せば今オフに海を渡る可能性もあります。
完全復活し史上最速100勝達成、東京オリンピックで活躍を見せ、巨人優勝と共にMLBへ・・・そんなシナリオも思い描ける菅野投手から、今年も目が離せませんね。
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