【東京2020】東京オリンピック・WBC注目選手 鈴木誠也選手

2019年は首位打者・最高出塁率の2冠を獲得し、「第2回 WBSC プレミア12」では、日本代表の4番として初の3試合連続本塁打を放ち初優勝に貢献するなど、開進の1年となった広島東洋カープ・鈴木誠也選手。

今後2020年東京オリンピックや2021年WBCでは、侍の4番として期待される選手です。

今回は東京オリンピック・WBCでも活躍が期待される鈴木選手のプロフィールや経歴・選手としての特徴をご紹介します。

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鈴木誠也選手のプロフィール・経歴

選手名  :鈴木誠也(すずき せいや)

出身地  :東京都

生年月日 :1994年8月18日

身長体重 :181cm・96kg

ポジション:外野手

投球・打席:右投右打

経歴   :二松学舎大付高→広島東洋カープ

鈴木誠也選手といえば「強肩・強打の外野手」というイメージですが、高校を卒業するまでは主に投手を務めていました。野球に熱心な父親のもと、鉄のバットでゴルフボールを打つ「リアル巨人の星」のような日々を過ごしていたそうです。

野球名門校からの注目も高まりますが、鈴木選手は父親から強制される野球が大嫌い。反発することも多く、試合中に相手選手に掴みかかるなどの問題行動がみられることから、当時は多くの名門校が鈴木選手のスカウトに二の足を踏んでいたのだとか。

そんな中、二松学舎大付高へ入学が決まり、1年時より剛腕エースとして貢献。3年時には最速148km/hを記録するほどに成長します。しかしプロ野球のスカウトの目を集めたのは、高校通算43本塁打の長打力と50mを5秒8で駆け抜ける俊足。そして2012年のドラフト会議で、1年生の頃から鈴木選手を追いかけてきた広島東洋カープから、内野手として2巡目指名を受けます。

用意された背番号は、憧れていたイチロー選手がつけていた「51」。投手出身で強肩・俊足・巧打といった共通点がある事から「赤いイチロー」と期待され、入団が決まりました。

鈴木誠也選手のレギュラーシーズン・国際試合成績

2013年、1日限定の一軍キャンプで監督・コーチから高い評価を受けた鈴木誠也選手。そのコーチ陣の中には、オリックス時代のイチロー選手の指導者・新井宏昌打撃コーチの姿もありました。

二軍で結果を出し、9月に広島の高卒新人野手としては14年ぶりとなる一軍昇格を果たします。この年はわずか11試合の出場でしたが、孤高の天才・前田智徳選手の引退試合で1番・右翼手としてスタメン起用されたことからも、鈴木選手への期待の高さが伺えます。

その後少しずつ一軍での試合出場が増え、2016年4月、5番ブラッド・エルドレッド選手・6番鈴木選手・7番堂林翔太選手の三者連続ホームランを皮切りに、鈴木選手の才能がついに爆発します。

6月の交流戦では、史上最年少となる2試合連続サヨナラ本塁打を記録。セ・リーグの規定打席到達選手で最高打率を記録し、大谷翔平選手と並び交流戦の優秀選手に選ばれました。その後も快進撃は止まらず、リーグ2位の打率・チームトップの本塁打を記録し、ゴールデングラブ賞とベストナインを初受賞。シーズンを通して5番・6番打者として活躍し、チームに25年ぶりの優勝をもたらしました。

翌2017年からはチームの4番を務め絶好調。しかし8月に、右脛骨内果の剥離骨折で全治3ヶ月の重傷を負います。不運な出来事のように思えますが、この怪我について鈴木選手は後に「野球の神様が怪我して自分を見つめなおす時間をくれた」と語っています。

「あのままだと野球選手としてだけでなく、人としても終わっていた」と語り、技術・人間性、共に成長する転機となったと振り返っています。この経験が2019年、自身初のタイトルとなる首位打者・最高出塁率獲得や、チームの中心選手となっていく事に繋がっていくのです。

2013年 
11試合 打率.083  0本塁打  0盗塁 OPS.298 
チーム順位3位

2014年 
36試合 打率.344  1本塁打  0盗塁 OPS.882 
チーム順位3位

2015年 
97試合 打率.275  5本塁打  6盗塁 OPS.742 
チーム順位4位

2016年 
129試合 打率.335 29本塁打 16盗塁 OPS1.015 
チーム順位1位

2017年 
115試合 打率.300 26本塁打 16盗塁 OPS.936 
チーム順位1位
◆リーグ最高OPS

2018年 
124試合 打率.320 30本塁打  4盗塁 OPS1.057 
チーム順位1位

2019年 
140試合 打率.335 28本塁打 25盗塁 OPS1.018 
チーム順位4位
◆リーグ最多得点・首位打者・最高出塁率・最高OPS

野球日本代表では、2014年11月に開催された「第1回IBAF 21Uワールドカップ」で初選出されます。クリーンナップとして活躍し大会の首位打者・ベストナインに選ばれました。

トップチームでは2016年11月の「侍ジャパン強化試合 日本vsメキシコ代表・オランダ代表」で代表デビュー。最終戦となったオランダ戦の延長10回に豪快な勝ち越し満塁ホームランを放ち、鮮烈な印象を残しました。

2016年 
侍ジャパン強化試合 日本vsメキシコ代表・オランダ代表
11月10日~11月13日 4試合 16打数 5安打 1本塁打 6打点

2017年 
2017 WORLD BASEBALL CLASSIC
3月7日~3月22日 5試合 16打数 3安打 0本塁打 0打点

2019年 
ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsカナダ(強化試合)
10月31日~11月1日 2試合 7打数 2安打 0本塁打 0打点

第2回WBSCプレミア12
11月3日~11月17日 8試合 27打数 12安打 3本塁打 13打点

2017年に行われた「第4回WBC」では不調だった鈴木選手ですが、2019年「第2回WBSCプレミア12」では大暴れ。すべての試合で4番を務め、日本代表の4番で初となる3試合連続本塁打を放ちます。同大会ではMVPとベストナインを獲得し、初優勝へ大きく貢献しました。

鈴木誠也選手の打撃フォーム・特徴

2020年東京オリンピック・2021年WBCでの活躍が期待される鈴木誠也選手の打撃フォームは、比較的オーソドックスなスタイル。クセのない構えは、研究熱心で良いと思った形をどんどん試していく鈴木選手の性格と相性が良く、シーズン中のみならず打席ごと・カウントごとに変わることもあります。

そんな鈴木選手が重要視しているのが「トップの位置」。2016年に打撃を一から見直した際、「トップの位置を深く決めることだけを重視し、トスバッティングの延長のような感じでゆっくりタイミングを取ってゆっくり振る。極端な話、構えもフォームもめちゃくちゃでいい」と語っています。

ポイントは後ろを意識し、「どんどん前に行くクセがあるので、とにかく右足の軸に残して、ボール1個2個でも呼び込んで打つようにしてます。右足が7で左足が3ぐらいの形で」。そしてバットを押し込む力の強さとしっかりした体重移動で、右打席から逆方向へ長打を放ちます。

また、鈴木選手と言えば力強いスイングだけでなく、俊足と強肩も大きな武器。50m走5秒8の俊足で、「スキがあれば一つでも先へ」と盗塁も意欲的です。

元投手の強肩を活かした送球は、DeNA・梶谷隆幸選手が「バズーカみたいに強烈」と語るほど。悪い体勢からでもコントロールされた強い球を投げられるのも特徴です。

負けず嫌いと向上心が導く「五輪の4番」鈴木誠也選手

2016年の大ブレイクから広島の枠を飛び越え、日本の主砲となった鈴木誠也選手。その成長には、シーズンオフや自主トレでソフトバンク・内川聖一選手やヤクルト・山田哲人選手、巨人・坂本勇人選手に話を聞き、打撃の引き出しを増やしていることも影響しています。

そして技術的なことだけではなく、選手として、ひとりの人間としての在り方も変わっていきました。精神的支柱だった新井貴浩選手が引退し、共に戦ってきた丸佳浩選手がチームを去り、菊池涼介選手・田中広輔選手も不調だった2019年。変革期を迎えたチームの中で、これまでに吸収したすべての出来事が鈴木選手の血肉になり、いつしかやんちゃ坊主からチームを牽引する選手へと成長したのです。

東京オリンピックについてのインタビューで「打てば気持ちがいいけど、そういうのは必要ない。目標は優勝。日本が一番強いというのを見せられればいい」と語る鈴木選手。東京オリンピックでは負けず嫌いと向上心を胸に、再び世界で暴れまわってくれることでしょう。

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