どうもマツローです。
2018年の日本シリーズで一気に注目を浴びたのは、福岡ソフトバンクホークスの正捕手である甲斐拓也の“甲斐キャノン”と呼ばれる盗塁刺殺でした。ファンから見ると「走るだけ無駄」のようにも思えるその送球は、野球ファンを圧倒させました。この記事ではそんな甲斐拓也捕手の送球について特集したいと思います。
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甲斐拓也捕手の「甲斐キャノン」のポップタイムや他の捕手との差は?
甲斐拓也捕手のあまりにも強い肩による2塁への送球は“甲斐キャノン”という愛称がつくほどになっています。
キャッチャーが「投球を補給して~二塁に送球するまでの時間」のことを“ポップタイム”と呼びますが、甲斐捕手の最速ポップタイムは驚異の1.70秒を記録しており、プロ野球界だけでなくMLBの中でもでも突出する速さです。 ちなみに一般的にプロで盗塁を刺すには少なくとも2秒以内に二塁へボールが到達しないと無理だというように言われていますが、
「パ・リーグTV」にパ・リーグ各捕手の二塁送球スピードのタイムを比較した動画があったので甲斐選手の送球の凄さが分かると思います。
なお2018シーズンの各捕手の平均ポップタイムを早い順にまとめると以下となります。
甲斐拓也(SB) 1.83秒
田村龍弘(ロッテ) 1.92秒
梅野隆太郎(阪神) 1.93秒
中村悠平(ヤクルト) 1.94秒
若月健矢(オリックス) 1.95秒
小林誠二(巨人) 1.97秒
(参考:MLBで今季10回以上スローイングを行った捕手の平均ポップタイム上位3名)
J.T.リアルミュート(マーリンズ) 1.90秒
ヤン・ゴームズ(レッズ) 1.93秒
ホルヘ・アルファーロ(フィリーズ) 1.94秒
見てお分かりの通り、甲斐拓也捕手のポップタイム(二塁送球スピード)が圧倒的に早いのがわかります。
プロ野球界で見ても甲斐拓也捕手の二塁送球スピードは断トツのトップクラスで、MLBの選手と比較しても甲斐選手の方が早いという事が分かります。もはや甲斐キャノンは日本だけにとどまらず“世界に誇る甲斐キャノン”と言えるのではないでしょうか。
同じホークスOBとしては城島捕手も強肩で知られていましたが、城島捕手と比べると甲斐捕手は地肩の強さというよりは取ってからの速さやフットワークが突出しているように感じます。では次は甲斐キャノンの秘密に迫っていきたいと思います。
甲斐拓也の送球の鋭さの秘密は?強肩でなくても甲斐キャノンを再現するコツ
甲斐拓也の遠投距離は115メートルであり、プロ野球選手としては特別に肩が強いというわけではありません。
それでもあの矢のような送球ができるのは、送球動作にコツがあるのです。
甲斐拓也捕手はテレビに出演した時、自身の送球動作でこだわっているポイントとして以下の2点を挙げています。
1.捕球前に左足を出す
2.ボールを体に引き付けて捕る
それでは、一つ一つのコツについて詳しく説明していきたいと思います。
1.捕球前に左足を出す
甲斐拓也捕手の二塁送球時の動作に注目してみると、捕球前に左足を前に出す動作を行っています。この左足を前に出す動作を行うことで、捕球後に素早く送球姿勢に入ることができるのです。
2.ボールを体に引き付けて捕る
捕球は通常、キャッチャーミットを前に出して捕球しますが、甲斐拓也捕手の場合はキャッチャーミットをギリギリまで身体に近づけて捕球します。
このように捕球する意味は、ミットの中に収まったボールを素早く送球する右手に移し、送球姿勢に入ることができるからです。
大切なのは素早く送球姿勢に入り、丁寧に送球すること
このように甲斐拓也捕手は「強いボールを投げる」ということよりもまず、「素早く送球姿勢に入る」ということを非常に重要視しています。
二塁送球は素早さを重視するあまり、十分な送球姿勢をとることができず、コントロールミスをしてしまったり、強い球が投げられなかったりします。
特に甲斐拓也捕手が注意しているのは「コントロール」です。なぜなら、早く投げることができてもボールが高いとセーフになってしまいます。だからこそ、普段から低い球を投げるなど練習の時から注意しているのだそうです。
甲斐拓也の強肩は高校時代から?2018年度成績などプロフィールを解説
最後に甲斐拓也捕手のプロフィールを簡単に紹介しておきましょう。
本名:甲斐拓也
生年月日:1992年11月5日
身長/体重:170cm/80kg
背番号:62
出身地: 大分県大分市
経歴:楊志館高等学校~福岡ソフトバンクホークス
投打:右投右打
甲斐拓也捕手は2010年の育成選手ドラフト6位で指名されて、福岡ソフトバンクホークスに入団しました。高校時代は県大会1回戦で敗退しており、プロ野球の道は甲斐捕手自身、あり得ないと考えていたそうですが、楊志館高校の監督の福岡ソフトバンクホークススカウトへの売り込みによって、指名に至りました。
2017年に正捕手の座をつかみとると一気にブレイクし、ゴールデングラブ賞を受賞するまでの選手となりました。
2018年度も正捕手として活躍し、以下のような成績を残しました。
133試合 314打数67安打 打率.213 7本塁打 37打点 盗塁阻止率.447
盗塁阻止率の.447は12球団で1位の成績で、今年も2年連続のゴールデングラブ賞を受賞しました。
年々ホームラン数も増えてきているので、もう少し打率も上がってくるといいですね。
まとめ
甲斐拓也捕手は日本シリーズでも盗塁刺殺に大活躍し、なんと全6盗塁を全て刺し、広島カープ自慢の機動力を完全に封じました。打率1割台のMVPというのは、史上初だそうですね。
全く日本シリーズで打てていないにも関わらず、MVPに選ばれたのは紛れもなく高い守備能力の賜物ということですね。
既にホークスの正捕手として君臨していますが、打撃に確実性を増し、将来的には2020年東京オリンピック、WBC侍ジャパンでも絶対的な正捕手の座を確立してほしいですね。
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