2020年・移籍したベテラン選手の現在地

新型コロナウイルスの影響で、開幕延期が続く2020年日本プロ野球。

各チームが2020年シーズンへの準備を進めている一方で、昨年戦力外通告を受けて引退を表明したり、新たなチームへ活躍の場を求めたベテラン選手がいます。

今回は、新天地で戦うベテラン選手の中から特に気になる3名を特集。彼らのこれまでの簡単な経歴と、期待される役割をご紹介します。

スポンサーリンク

阪神タイガースから千葉ロッテマリーンズへ!鳥谷敬選手

選手名  :鳥谷 敬(とりたに たかし)

生年月日 :1981年6月26日(38歳)

ポジション:内野手

投球・打席:右投左打

経歴   :聖望学園高→早稲田大→阪神タイガース→千葉ロッテマリーンズ

受賞歴  :最高出塁率1回・ゴールデングラブ賞5回・ベストナイン6回

通算成績 :2169試合 打率.280 本塁打138 822打点 OPS.765

2003年ドラフト会議で、自由獲得枠として阪神タイガースへ入団。ルーキーイヤーの2004年9月から2018年5月まで、NPB史上2位となる1939試合もの連続試合出場を続け、現役選手の中では出場試合数・打席数共に最多記録を持つ「虎の鉄人」です。

そんな鳥谷敬選手は2年目の2005年以降、守備範囲の広さや堅実な守備で長く遊撃手を務めてきました。5回のゴールデングラブ賞は遊撃手で4回受賞。近年は三塁を守ることが増え、三塁手でも1回受賞しているほどの守備の名手です。

また広角に打ち分けるバットコントロールと卓越した選球眼を持ち、8・9番打者以外ほとんどの打順を経験。勝負強い打撃で、2010年に遊撃手としてシーズン最多となる104打点を記録しました。

そして選球眼を活かし、2011年からは3年連続リーグトップの四球数を記録。最高出塁率も獲得します。2017年にはNPB史上50人目・となる2000本安打を達成。16年の在籍で積み上げた2085安打は球団記録になると共に、ファンにいくつもの感動を残しました。

2019年は代打出場が多く、シーズン中に球団幹部より事実上の引退勧告を受けます。シーズン中のため名言は避けつつも、現役続行を願う鳥谷選手にとって別れの時期が近づいてきていました。

そして2020年3月、千葉ロッテマリーンズへ単年契約で入団が決定。年俸は1軍最低保障額の1600万円・背番号は「00」と、まさにリスタートともいうべき契約です。

しかしロッテの遊撃手・三塁手のポジションは完全に固定されているとはいえません。井口資仁監督は鳥谷選手に内野すべてを守ることを示唆し、若手選手の手本となることを期待しています。

楽天ゴールデンイーグルスを去り東京ヤクルトスワローズへ!嶋基宏選手

選手名  :嶋 基宏(しま もとひろ)

生年月日 :1984年12月13日(35歳)

ポジション:捕手

投球・打席:右投右打

経歴   :中京大中京高→國學院大→楽天ゴールデンイーグルス→東京ヤクルトスワローズ

受賞歴  :ベストナイン2回・ゴールデングラブ賞2回・最優秀バッテリー賞2回

通算成績 :1402試合 打率.242 26本塁打 311打点 OPS.627(実働13年)

2006年大学生・社会人ドラフトで、東北楽天ゴールデンイーグルスより3巡目指名を受け入団。ルーキーイヤーにリーグ2位となる盗塁阻止率を記録し、以後、チーム史上初となるゴールデングラブ賞・ベストナインにも選出されます。

2011年には東日本大震災に見舞われながらも最優秀バッテリー賞を受賞。2013年に球団初のリーグ優勝・日本シリーズ優勝を果たしました。

また、2012年に日本プロ野球選手会8代目会長に史上最年少で就任し、日本代表でも日本の正捕手として活躍。13年間の在籍中にチームのみならず球界を牽引するリーダーとして野球界に貢献してきました。

近年は怪我や故障が相次ぎ、2019年は腰痛の影響や若手捕手の台頭もあり、僅か57試合出場に留まります。オフに大幅減俸と将来的な指導者の申し出がありましたが、現役続行を希望する嶋選手は出場機会を求め退団を決意。自由契約を申し入れました。

中日ドラゴンズ・千葉ロッテマリーンズなどが獲得に興味を示していましたが、11月に東京ヤクルトスワローズに2年契約・年俸総額5000万円で移籍が決定しました。

現在は3月の練習試合で右手親指を骨折しリハビリ中。しかし、福岡ソフトバンクホークス・松田宣浩選手が始めた「熱男リレー」では、自身のインスタグラムで村上宗隆選手と共に元気な姿を見せています。

14年ぶりの古巣・埼玉西武ライオンズ復帰!松坂大輔選手

選手名  :松坂 大輔(まつざか だいすけ)

生年月日 :1980年9月13日(39歳)

ポジション:投手

投球・打席:右投右打

経歴   :横浜高→西武ライオンズ→ボストン・レッドソックス→ニューヨーク・メッツ→福岡ソフトバンクホークス→中日ドラゴンズ→埼玉西武ライオンズ

受賞歴  :最多勝利3回・最優秀防御率2回・最多奪三振4回・新人王・沢村賞1回・ベストナイン3回・ゴールデングラブ賞7回

通算成績 :NPB 218試合1464.1投球回 114勝65敗1セーブ 防御率3.04
:MLB 158試合790.1投球回 56勝43敗1セーブ3ホールド 防御率4.45

横浜高時代に球史に残る激闘を繰り広げ、1998年ドラフト会議で西武ライオンズから1位指名を受けた松坂大輔選手。ルーキーイヤーから最多勝・新人王の活躍を見せ、現役トップの完投数を誇る「平成の怪物」です。

入団以来8年間で7回の二桁勝利をあげ、2度のリーグ優勝・日本シリーズ優勝に貢献。2006年は第一回WBCでも活躍し、大会MVPと世界一を勝ち取りました。

同年オフにポスティングシステムを利用して、ボストン・レッドソックスへ移籍。2年連続二桁勝利をあげ、2007年にはワールドシリーズ優勝を果たします。

しかし2009年以降は故障が続き、2013年にニューヨーク・メッツへ入団。翌年にはマイナー契約となり、2015年に福岡ソフトバンクホークスへ入団します。

しかし日本球界復帰後も右肩の不調は続き、松坂選手は全国の治療院を訪ねます。徐々に快方へ向かうも一軍登板は僅か1試合となり、2018年に中日ドラゴンズへ移籍。そしてついに、日本球界では2006年以来となる先発登板を果たし、6勝をあげカムバック賞に輝いたのです。

数々の苦難を経てのカムバック賞でしたが、翌2019年、春季キャンプで右肩を故障。オフに自由契約となり、14年ぶりに単年契約・年俸3000万円で埼玉西武ライオンズへ復帰します。

与えられた背番号「16」は、西武では涌井秀章選手・菊池雄星選手など、チームを代表する投手が背負ってきた背番号です。現在の松坂選手の様子を恩師の森繁和氏は「中日入団時よりはるかに状態は良い」と語り、辻発彦監督も先発登板を想定した発言をしています。

戦うことを選んだベテラン選手にエールを!

他にも2019年にチームを離れた選手は多く、ソフトバンク・中田賢一選手は阪神へ無償トレードとなり、巨人・森福允彦投手は33歳の若さで現役引退。

ロッテのエースとして活躍した成瀬善久選手は、オリックスを離れBC栃木で選手兼任コーチへ就任しました。

中日・亀沢恭平選手は琉球ブルーオーシャンズへ入団し、ヤクルト・寺原隼人選手は同じく琉球ブルーオーシャンズ投手コーチへ就任しています。

過去に素晴らしい成績を残した選手だからこそ、プロ野球選手として晩年に差し掛かりキャリアを振り返った時、コンディションを維持していれば現役を続けたいと願うのかもしれません。

しかしレギュラーの確約もなく新天地で戦うには、相当の勇気が必要です。長い旅路の果てに勝ち得た新天地での活躍に、もう一度心を震わせる日が来ることを願っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です