2019年シーズン、惜しくもリーグ優勝は逃したものの4年連続二桁勝利をあげた千賀滉大投手。
育成出身選手では初となるノーヒットノーランや最多奪三振賞を獲得し、2020年に開催される東京オリンピックや2021年WBCへの期待が高まるところです。
しかし千賀投手はかねてよりポスティングでのMLB移籍を球団に直訴しており、2020年以降の動向が気になるファンも多いのではないでしょうか?
今回は千賀投手のこれまでのシーズン成績・国際試合での成績を振り返り、東京オリンピックでの起用法や今後の動向を分析します。
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千賀滉大投手の略歴・レギュラーシーズン成績
まずは千賀滉大投手のプロフィールを簡単にご紹介します。
出身地 :愛知県
生年月日 :1993年1月30日
身長体重 :186cm・84kg
ポジション:投手
投球・打席:右投左打
経歴 :蒲郡高→福岡ソフトバンクホークス(2011年~)
蒲郡高卒業後、福岡ソフトバンクホークスと育成契約を交わした千賀滉大投手ですが、翌2012年4月には支配下選手として登録されます。度重なる故障や先発選手層の厚さにより、当初は中継ぎとして活躍。2015年辺りから徐々に先発へと転向し、2016年以降は先発投手としてチームを牽引する存在となりました。
千賀投手が残した2019年シーズンまでのレギュラーシーズン成績・その年に達成した記録やタイトルです。
2試合 0勝1敗 防御率9.64 奪三振1 チーム順位3位
2013年
51試合 1勝4敗 防御率2.40 奪三振85 チーム順位4位
◆救援投手による連続無失点イニング(34回1/3)パ・リーグタイ記録を樹立
2014年
19試合 1勝1敗 防御率1.99 奪三振28 チーム順位1位(日本シリーズ優勝)
2015年
4試合 2勝1敗 防御率0.40 奪三振21 チーム順位1位(日本シリーズ優勝)
2016年
25試合 12勝3敗 防御率2.61 奪三振181 チーム順位2位
◆育成契約出身投手による一軍でのシーズン最多勝利記録を樹立
2017年
22試合 13勝4敗 防御率2.64 奪三振151 チーム順位1位(日本シリーズ優勝)
◆最多勝率受賞
2018年
22試合 13勝7敗 防御率3.51 奪三振163 チーム順位2位(日本シリーズ優勝)
2019年
26試合 13勝8敗 防御率2.79 奪三振227 チーム順位2位(日本シリーズ優勝)
◆最多奪三振受賞
◆育成契約出身選手による初の二―ヒットノーラン達成・ゴールデングラブ賞・ベストナイン受賞
◆規定投球回到達者の中で歴代最高の奪三振率を樹立(11.33)
千賀投手のこれまでの経歴、投球フォームや投手としての特徴などは、こちらの記事にまとめてあります。
2018年まではシーズン中に故障での離脱があった千賀投手ですが、2019年は故障を発症することなく1年間先発ローテーションを守り、規定投球回にも到達。180回2/3という投球回は自身のキャリアハイだけでなく、12球団最多投球回です。
そしてこれだけの投球回を投げながら、防御率は前年の3.51から2.79と躍進。さらにノーヒットノーラン達成、最多奪三振を獲得しました。勝利数は13勝と2018年・2017年と同じですが、内容を比較すると前年までより確実に進化していることがわかります。
そんな千賀投手の好投の礎となっているのが、立ち上がりの良さです。2019年の初回被出塁率ランキングでは2位以下を圧倒的に上回る堂々の1位。自己最速記録161km/hを記録したのも初回でした。
2位山岡泰輔(オリックス) .255
3位今永昇太(DeNA) .268
4位山本由伸(オリックス) .274
5位柳 裕也(中日) .276
初回は速球を主体に打者を三振に切って取り、試合を優位に進めていけるのは、先発投手として最高の投球術と言えるでしょう。
千賀滉大投手の国際試合成績
千賀滉大投手は、2016年シーズン終了後の「侍ジャパン強化試合 日本vsメキシコ代表・オランダ代表」で野球日本代表初選出。中継ぎ投手として初登板します。
翌2017年3月に開催された「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC」では第2先発要員として選出され、先発・中継ぎとして4試合に登板。同大会で最多となる16奪三振を記録したことから日本代表選手唯一の「オールスターチーム」に選ばれ、最優秀投手として表彰されました。
この頃より千賀投手の武器である「お化けフォーク」は世界を席巻していき、2018年の強化試合「日本vsオーストラリア」で先発した際には、6者連続三振を記録。オーストラリア代表監督も、「私が見てきた中でも優れた投手の1人」と賛辞を贈っています。
11月10日~11月13日 2試合 4回 3安打 1本塁打 7奪三振 5失点 1セーブ※自責点22017年
2017 WORLD BASEBALL CLASSIC
3月7日~3月22日 4試合 11回 7安打 0本塁打 16奪三振 1失点 0セーブ
2018年 ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018 日本vsオーストラリア(強化試合)
3月3日~3月4日 1試合 2回 0安打 0本塁打 6奪三振 0失点 0セーブ
2019年に開催された「第2回WBSCプレミア12」ではエースとしての期待をされていましたが、右肩の違和感のため残念ながら出場辞退となりました。故障の多い千賀投手ですから、2020年東京オリンピックでは万全の状態での登板を期待したいところですね。
MLB?日本代表?千賀滉大投手の動向と起用法
2020年東京オリンピック・2021年WBCへの期待が高まる千賀滉大投手ですが、契約更改の際にこれまで3年連続でMLB移籍を直訴していることを明らかにしています。
千賀投手が海外FA権を取得できるのは早くても2023年で、その頃には30歳を迎えます。球団としてはポスティングシステムを利用してのMLB移籍を認めていませんが、千賀投手自身が契約更改後の会見で「(球団には)考えてもらえるような形になっている。決めるのは球団なので。」と発言していることから、球団側からの歩み寄りがあったことが推察されます。
そんな千賀投手ですが、ソフトバンク・王会長からも「五輪のキーマン」にあげられていることから、2020年シーズンを故障なく迎えられれば、東京オリンピック日本代表のエースとして活躍できることが予想されます。
野球日本代表・稲葉篤紀監督は、7月29日の開幕戦の先発候補に千賀投手と巨人・菅野智之投手をあげながらも、大一番で千賀投手の「先発&中継ぎ起用プラン」の可能性があることを明かしています。これについては日本代表・建山投手コーチも「本当に負けられない試合では、ブルペン待機してもらおうと思う。」と語り、千賀投手も「自分でも中継ぎの適性はあると思う。どんな役割でも果たすつもり。」と語っています。
問題は2021年のWBCです。2020年はソフトバンクでの契約を結んでいますが、単年契約であるため、球団がポスティングシステムの利用を認めれば、2021年はMLB球団と契約する可能性が高いです。
しかしWBCは3月の開催であり、近年MLB球団がWBCへの選手派遣に積極的であることから、千賀投手のWBC出場も充分あり得ます。
これについては千賀投手が故障がちであることと、MLB移籍初年度であることがカギとなります。NPB最強の投手が世界を席巻し、日本に悲願の金メダルとWBC優勝奪還という喜びをもたらしてくれることを願うばかりです。
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