どうもマツローです。
キャンプが近づいてきて、昨シーズン誰が一番活躍したかを思い出しながら今季の活躍を期待する、そんな話題で盛り上がることもあるかと思います。
しかしシーズン終盤に活躍した選手ばかりが印象に残ってしまったり、ましてや投手と野手の貢献度を一緒くたに計るのはなかなか難しいものです。
そんな時に参考になる指標に「WAR」と呼ばれる指標が存在します。
今回はそんなWARを使って、2018年、どの選手がチームにどれだけ貢献したかを、リーグ別にランキング形式でご紹介します。
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WARの特徴と評価基準の見方
「WAR」とは、投手・野手の選手としての総合力を数値化し、ある選手が同じポジションの控え選手(平均的な能力の選手)に代わって試合に出場することで、チームに何勝プラスすることができるかを表す指標です。
例えば中日ドラゴンズ・平田良介選手の2018年のWARは6.2でした。これは「控え選手の代わりに平田選手選手が出場することで、チームに6.2勝分の勝利をもたらした」ということを表します。
仮に2018年の中日に「平田選手」がおらず、代わりとして「控え選手」が出場していたとすると、2018年の中日ドラゴンズのチーム成績は以下のようになります。
6位 中日ドラゴンズ 57勝84敗2分
上記を見てお分かりの通り、もし平田選手が1年間出場できなかった場合は中日ドラゴンズが最下位になっていたことになります。
このようにWARを知ることで、チームにとってどの選手がどれだけ重要であるかを知ることができるのです。
WARの概要
WARの計算方法は非常に複雑で、野手の場合は打撃評価・守備評価・走塁評価に加え、ポジション別の守備位置補正やリプレイスメントレベル(代替水準対比価値)という控え選手に期待される成績水準を用いて計算されます。
野手の打撃力だけではなく守備力・走塁能力も含んだ総合力で評価されるため、例えば西武ライオンズの主砲である山川穂高選手と、若き守備・走塁の名手となりつつある源田壮亮選手を比較すると、打撃では山川選手が圧倒的に高い評価ですが、WARでは源田選手が高い評価になります。
投手の場合はさらに複雑で、投手の責任範囲と決められた被本塁打・与四死球・奪三振で投手の能力を図る“FIP”という数値に、パークファクター補正やリプレイスメントレベル補正などを加えて計算されます。
これら複数の指標を組み合わせ、その投手がどれだけ失点を防いだかが数値化されます。
投手のWARは、控え投手と比べてどれだけの勝利をプラスできたかを算出するため、イニング数の少ない中継ぎ・抑え投手より、多くのイニング数を投げられる先発投手に有利となっています。
また一般的には投手より毎日多くのイニング数を出場することができる、野手に有利となっています。
WAR評価基準の見方
WARが用いられるようになったことにより、投手と野手を分けずに選手の総合的な貢献度を、おおまかに比較することができるようになりました。
そんなWARのNPBでの評価基準は明確にはないのですが、MLBでは「fWAR」と「rWAR」の2つの評価基準があります。
MVP :6.0以上 8.0以上
スーパースター :5.0 – 6.0
オールスター :4.0 – 5.0 5.0以上
好選手 :3.0 – 4.0
レギュラー :2.0 – 3.0
先発メンバー :1.0 – 2.0 2.0以上
控え :1.0以下 0-2.0
リプレイスメント:0未満 0未満
一般的なレギュラークラスの選手のWARは2.0と言われ、先発投手では4.0以上で年間を通してエースクラスの活躍と言われています。
また、中継ぎ・抑えの平均的なWARは0.3と低いため、ランキング上位にカウントされることはほとんどありません。
以上を考慮し、リーグ別WARランキングをご参照ください。
「セリーグ2018年のWARランキング10傑」
1位 山田哲人選手(ヤクルト) WAR8.4
2018年は通算3回目のトリプルスリー(打率3割・本塁打30本・30盗塁以上)を達成した山田哲人選手。
天性のミート力・スイングスピードの速さによる長打力・BsRという盗塁とベースランニングの得点貢献合計では、両リーグトップの数値を残す足の速さを誇ります。
守備負担の大きい二遊間でこのような成績を残す選手は、過去を遡ってもごく少数です。
2位 菅野智之投手(巨人) WAR7.6
両リーグ通して先発投手としては1位のWARを記録した菅野智之投手は、2016年より3年連続6.0を超えるWARを記録しています。
2018年は両リーグを通じて最多投球回を投げながら、本塁打・与四死球・奪三振で投手の能力を図る“FIP”と、1投球回あたり何人の走者を出したかを表す“WHIP”でも1位を記録し、現在NPBにおいて最も攻略しにくい投手と言えるでしょう。
3位 丸佳浩選手(広島) WAR7.0
2017年・2018年と2年連続でMVPを獲得した丸佳浩選手は、守備力よりもリーグ1位の出塁率とリーグ2位の本塁打を活かした打撃特化型で、高いWARを記録しました。
2017年は両リーグを通じて1位のWAR8.9を記録。選球眼が良いため四球が多いのも特徴で、2016年からは高い打点と得点力でチームのリーグ3連覇に貢献しています。
4位 坂本勇人選手(巨人) 6.3
5位 平田良介選手(中日) 6.2
6位 鈴木誠也選手(広島) 5.6
7位 東克樹投手(横浜) 5.5
8位 ブキャナン投手(ヤクルト)4.5
9位 大瀬良大地投手(広島) 4.1
10位 メッセンジャー投手(阪神) 4.1
※2018年度の成績のため、シーズン終了後に移籍した選手は移籍前の球団で表示しています。
「パリーグ2018年のWARランキング10傑」
1位 柳田悠岐選手(ホークス) WAR8.9
現役最強打者と言われる柳田悠岐選手が、2018年両リーグを通じたWARランキングで1位に輝きました。
2015年より両リーグを通じて4年連続1位となるOPS(出塁率と長打率を合わせた数値)を記録していますが、この記録は王貞治選手に続くNPB史上2人目の記録です。
2018年は自己最高となる本塁打と打点を記録し、2度目の首位打者も受賞。ホークスの2年連続日本シリーズ優勝に貢献しました。
2位 浅村栄斗選手(西武) WAR6.6
2018年に球団記録となる127打点を記録し、球団では日本人選手初の「3割・30本・100打点」を達成した浅村栄斗選手。
打者としては初球から積極的に打っていくという特徴があり、2018年はリーグ2位の安打・リーグ3位となる本塁打・2度目となる打点王を獲得しました。総合的な守備の指標であるUZRも二塁手で4位と、攻守に高い水準でバランスの取れた選手です。
3位 秋山翔吾選手(西武) WAR6.2
2015年にNPB最高記録となるシーズン216安打を達成し、毎年のように最多安打・首位打者争いに名を連ねる秋山翔吾選手が、WARランキングでも3位にランクイン。
2018年は出塁率4割を超え、1番打者としては異例の82打点を記録。また4年連続二桁盗塁も記録しており、足の速さを活かして2年連続リーグ最高となる二塁打を記録した、超攻撃的1番打者です。
4位 源田壮亮選手(西武) 6.0
5位 山川穂高選手(西武) 5.8
6位 則本昂大投手(楽天) 5.6
7位 菊池雄星投手(西武) 5.6
8位 上沢直之投手(日ハム) 4.4
9位 多和田真三郎投手(西武) 4.4
10位 岸孝之投手(楽天) 4.0
※2018年度の成績のため、シーズン終了後に移籍した選手は移籍前の球団で表示しています。
選手の総合力を表すWARに注目!
最も活躍した選手に贈られるMVPは投票で選ばれるため、どうしてもイメージ先行になりがちですが、WARで実際にどれだけ勝利に貢献したかを表すと、選手の本当の貢献度がわかります。
しかしどうしても投手の数値が低くなりがちであることから、WARも完璧な指標ではないかもしれませんが、他の指標値も用いて選手を分析することでさらに選手の特徴がつかめるようになると思います。
2019年の野球観戦をさらに充実させるためにも、是非お役立てくださいね。
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