最も出塁困難な投手は?2018年度版 WHIP10傑ランキング

どうもマツローです。

投手の能力を表す指標のひとつである「WHIP」は、1投球回あたり何人の走者を出したかを表す数値です。

走者を多く出せば安定感のない印象を与えますし、一人も走者を出さなければ投手の信頼度は上がります。ではWHIPとはどのように算出するのでしょうか。

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WHIPの特徴と格付けの見方

WHIPの計算方法は【与四球+被安打】÷投球回で計算されます。

例えば先発投手が6回まで投げ、5安打3四球で降板したとすると、WHIPは1.33(8÷6=1.33)となります。

防御率で投手を評価すると、投球回の少ないワンポイントリリーフの場合、自身の出した走者が次の投手に打たれて失点してしまうと防御率に反映されてしまうため、次に投げる投手の調子如何によって成績が左右されます。

またWHIPはエラーによる出塁は含まれないので、チームの守備力に左右されないという利点があります。

こういった理由からWHIPは、「投手の能力だけで評価した場合、どのくらい打者を抑えることができるか」を知ることができます。

そんなWHIPには7段階の格付けがあり、数値が低いほど投手として優秀であると評価されます。

WHIPの格付け
Aランク 優秀 1.00以下
Bランク 非常に良い 1.10
Cランク 良い 1.25
Dランク 普通 1.32
Eランク 平均以下 1.40
Fランク 悪い 1.50
Gランク 非常に悪い 1.60以上

では、2018年のWHIPを各リーグに分けて、規定投球回到達選手の中から上位順にご紹介します。

セ・リーグ2018年WHIPランキング【規定投球回到達選手】

1位 菅野智之選手(巨人)WHIP1.00 防御率2.14

2018年、セ・リーグで最も出塁を許さない先発投手となった菅野智之選手。規定投球回到達する選手が年々減っている中、40年ぶりとなるシーズン8完封という記録も打ち立てました。さらに最優秀防御率最多勝利最優秀奪三振投手三冠を受賞し、2年連続の沢村賞も受賞。先発投手としての理想を実現しています。

2位 大瀬良大地選手(広島)WHIP1.01 防御率2.62

3位 東克樹選手(横浜)WHIP1.12 防御率2.45

4位 山口俊選手(巨人)WHIP1.21 防御率3.68

5位 メッセンジャー選手(阪神)WHIP1.26 防御率3.63

6位 ジョンソン選手(広島)WHIP1.28 防御率3.11

7位 ガルシア選手(中日)WHIP1.29 防御率2.99

8位 ブキャナン選手(ヤクルト)WHIP1.37 防御率4.03

パ・リーグ2018年WHIPランキング【規定投球回到達選手】

1位 岸孝之選手(楽天)WHIP0.98 防御率2.72

2018年は後半膝の炎症で苦しんだものの、前半戦の好投ぶりには目を見張るものがあり、両リーグの規定投球回到達者の中でもWHIPランキング1位となりました。さらにチームが苦しい中、最優秀防御率も獲得。ややホームランを打たれやすい傾向はあるものの、2018年において最も出塁を許さない先発投手と言えるでしょう。

2位 菊池雄星選手(西武)WHIP1.03 防御率2.47

3位 上沢直之選手(日ハム)WHIP1.11 防御率3.16

4位 西勇輝選手(オリックス)WHIP1.22 防御率3.60

5位 則本昂大選手(楽天)WHIP1.23 防御率3.69

6位 多和田真三郎(西武)WHIP1.27 防御率3.81

7位 山岡泰輔選手(オリックス)WHIP1.27 防御率3.95

8位 マルティネス選手(日ハム)WHIP1.29 防御率3.51

9位 涌井秀章選手(ロッテ)WHIP1.31 防御率3.70

セ・リーグ2018年WHIP 10傑【45試合以上登板選手対象】

1位 岩瀬仁紀選手(中日)WHIP1.00 防御率4.63

2018年限りで引退した岩瀬仁紀選手ですが、チーム最多となる48試合に登板。中継ぎ・抑え投手が安定しなかった中日にとって35回を投げて1.00というWHIPは、来季の現役続行を期待させる数字でした。NPB初となる1001試合登板を達成し通算WHIP1.13という記録が、岩瀬選手の鉄腕ぶりと豪腕を物語ります。

2位 山崎康晃選手(横浜)WHIP1.03 防御率2.72

3位 能見篤史選手(阪神)WHIP1.05 防御率2.56

4位 石山泰椎選手(ヤクルト)WHIP1.06 防御率2.08

5位 フランスア選手(広島)WHIP1.11 防御率1.66

6位 桑原謙太郎(阪神)WHIP1.12 防御率2.68

7位 バリオス選手(横浜)WHIP1.19 防御率3.33

8位 藤川球児選手(阪神)WHIP1.21 防御率2.32

9位 一岡竜司選手(横浜)WHIP1.21 防御率2.88

10位 風張蓮選手(ヤクルト)WHIP1.21 防御率4.37

パ・リーグ2018年WHIP 10傑【45試合以上登板選手対象】

1位 嘉弥真新也選手(ホークス)WHIP0.85 防御率2.45

2年連続50試合以上登板した上、WHIPは昨年の1.29より良く12球団トップとなる数値を叩き出した嘉弥真新也選手。2017年に投球フォームをスリークォーターからサイドスローに転向したことで投球が安定し、多彩な変化球を活かした貴重な左の中継ぎとして活躍。2018年は31試合連続無失点を記録し、ホークスの2年連続日本一に貢献しました。

2位 山本由伸選手(オリックス)WHIP1.06 防御率2.89

3位 宮西尚生選手(日ハム)WHIP1.09 防御率1.80

4位 益田直也選手(ロッテ)WHIP1.10 防御率3.08

5位 アルバース選手(オリックス)WHIP1.11 防御率3.08

6位 上沢直之選手(日ハム)WHIP1.11 防御率3.16

7位 平井克典選手(西武)WHIP1.11 防御率3.40

8位 澤田圭佑選手(オリックス)WHIP1.13 防御率2.54

9位 近藤大亮選手(オリックス)WHIP1.13 防御率3.33

10位 森唯斗選手(ホークス)WHIP1.14 防御率2.79

過去3年間トータルの日本プロ野球WHIP 10傑【429イニング以上投げた選手】

1位 菅野智之選手(巨人)WHIP0.95 防御率1.91

2018年セ・リーグの規定投球回到達者の中でもWHIPランキング1位となった菅野選手が、過去3年間でも1位となりました。それもそのはず、2016年よりセ・リーグのWHIPランキングでは1位を記録。特に2016年と2017年は1を切るWHIPをマークし、防御率も3年間を通して1位です。さらに完投能力も高く、ここ3年間でリーグ1位を記録。名実ともに日本のエースと言えるでしょう

 

2位 菊池雄星選手(西武)WHIP1.06 防御率2.54

3年連続開幕投手となり、西武を代表する投手である菊池雄星選手。特に2017年から与四球率・被打率が大きく改善され、パ・リーグ1位のWHIP0.91を記録。2018年も1.03という、岸選手に次ぐWHIPランキング2位の好成績を残しました。2019年はシアトル・マリナーズに活躍の場を移しますが、変わらぬ活躍を祈っています。

 

3位 岸孝之選手(西武→楽天)WHIP1.07 防御率2.65

過去3年間の成績で3位となった岸選手ですが、2007年のデビューからの通算でもWHIP1.09を記録していることから、毎年安定して高い水準で結果を出し続けている投手であると言えます。球界屈指のコントロールの良さ、緩急織り交ぜた投球術、フィールディングの巧さがWHIPの良さに反映されています。

 

4位 千賀滉大選手(ホークス)WHIP1.11 防御率2.92

5位 則本昂大選手(楽天)WHIP1.17 防御率3.05

6位 西勇輝選手(オリックス)WHIP1.23 防御率3.72

7位 金子千尋選手(オリックス)WHIP1.24 防御率3.72

8位 メッセンジャー選手(阪神)WHIP1.26 防御率3.01

9位 有原航平選手(日ハム)WHIP1.28 防御率4.07

10位 涌井秀章選手(ロッテ)WHIP1.30 防御率3.56

過去3年間トータルの日本プロ野球WHIP 10傑【135試合以上登板選手対象】

1位 サファテ選手(ホークス)WHIP0.88 防御率1.99

これまでにパ・リーグ記録となる連続イニング奪三振記録やシーズン最多セーブ記録など、数々の記録を達成しているサファテ選手。2018年は手術もあり僅か6試合の登板に終わりましたが、2016年・2017年に60回以上を投げ0.82・0.67という驚異のWHIPを記録しました。ホークス最高の外国人投手の復活が待たれます。

 

2位 吉田一将選手(オリックス)WHIP1.03 防御率3.07

2013年社会人の目玉投手としてプロ入りした吉田一将選手ですが、2016年より中継ぎ投手として活躍。ここ3年間で抜群の安定感を見せていますが、2019年は先発投手の金子千尋選手・西勇輝選手の移籍により先発転向が予想されています。先発投手としても高いWHIPを維持できるか注目ですね。

 

3位 マシソン選手(巨人)WHIP1.04 防御率2.52

2012年から巨人で中継ぎ・抑えとして活躍しているマシソン選手は、2013年以降毎年50試合以上登板を記録。2018年は左ひざの手術もあり最小の34試合登板に終わったものの、日本プロ野球での7年間で通算WHIP1.07という高い水準で安定した数字を記録しています。最優秀中継ぎ投手を2度獲得した右腕は、2019年の復活を目指します。

 

4位 宮西尚生選手(日ハム)WHIP1.09 防御率2.21

5位 一岡竜二選手(広島)WHIP1.10 防御率2.18

6位 ジャクソン選手(広島)WHIP1.13 防御率2.10

6位 山崎康晃選手(横浜)WHIP1.13 防御率2.65

8位 内竜也選手(ロッテ)WHIP1.13 防御率2.72

9位 ドリス選手(阪神)WHIP1.14 防御率2.63

10位 中崎翔太選手(広島)WHIP 1.16 防御率1.81

WHIPで投手の制球力や安定感がわかる!

投手の安定感を知ることができるWHIPですが、問題点もあります。

WHIPは安打や四球以外による出塁は含まないため、実際の試合結果とは違う印象を受けることもあるのです。

また、長打も単打や四球と同様にカウントされるため、四球は少ないが長打を多く打たれている投手は、WHIPが示す数値ほど良い成績を残していない場合もあります。

そのためWHIPはそれだけで判断せず、防御率などと合わせて評価することでよりその投手の特性がわかります。野球観戦の新たな視点として、楽しんでみてくださいね。

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