【東京2020】東京オリンピック・WBC注目選手 山田哲人選手

史上初となる本塁打王と盗塁王を同時に獲得し、トリプルスリーを3度も獲得した東京ヤクルトスワローズ・山田哲人選手。

現NPBにおいて「最高の5ツールプレイヤー」の呼び声高い選手です。稲葉篤紀監督からの信頼も厚く、東京オリンピックやWBCにも選出は確実と言われています。

今回はそんな山田選手のプロフィールや経歴・投手としての特徴をご紹介します。

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山田哲人選手のプロフィール・経歴

選手名  :山田哲人(やまだ てつと)

出身地  :兵庫県

生年月日 :1992年7月16日

身長体重 :180cm・76kg

ポジション:二塁手

投球・打席:右投右打

経歴   :履正社高→東京ヤクルトスワローズ

侍ジャパンの一員として活躍し、素晴らしい記録を残し続けている山田哲人選手ですが、アマチュア時代はオリンピックや日本代表に選ばれたこともなく、ほぼ無名。しかし幼いころから運動神経は抜群でした。

少林寺拳法で高校チャンピオンになった父親の遺伝子を受け継ぎ、空手を始めれば地区大会でベスト8、サッカーでは市の大会で得点王。そんな山田選手がのめり込んだのは、「打って走って守る」、複雑な動きを擁する野球でした。

しかし運動神経抜群の山田選手でも、少年時代に特別な成績を残した記録はありません。当時は本人もプロへ行けるとは思っておらず、どこかの高校でレギュラーを取って甲子園へ行けたらいいな、という目標のもと、履正社高へ進学します。

履正社高では1年生からレギュラー。高い守備力と巧打、持ち前の俊足で2年夏に県ベスト4に貢献します。

そして秋のドラフト中継を見て、突然「来年はここで自分の名前を呼ばれたい」と思い、徹底的に身体を鍛えます。その結果、スイングスピードが上がり飛距離が伸びたことで、走攻守揃った山田選手に力強さが宿りました。

そして高校生活最後の夏、履正社高を13年ぶりの甲子園へ導き、高校通算31本塁打を記録する選手にまで成長したのです。

まるで別人のような輝きを放つ山田選手のもとへ、次々とスカウトが訪れます。そして2010年のドラフト会議、東京ヤクルトスワローズより1位指名を受け、入団が決まりました。

山田哲人選手のレギュラーシーズン・国際試合成績

履正社高で選手として飛躍的に成長した山田哲人選手ですが、ルーキーイヤーの2011年は公式戦での試合出場はゼロ。入団してすぐに活躍したわけではありませんでした。

しかし山田選手は小川淳司監督に「僕を使ってください」と直訴。この年内野手が故障がちだったことや、山田選手のフェニックスリーグの好調ぶりが評価され、公式戦未出場ながらクライマックスシリーズ初出場を果たしました。

そんな山田選手に、野球人生の転機となる出会いが訪れます。

3年目となった2013年、ソフトバンク・内川聖一選手や青木宣親選手を育てた「球界の名伯楽」・杉村繁コーチが、ヤクルト二軍打撃コーチに就任。

杉村コーチ指導のもと、打撃の根幹となるタイミング・ポイント・バットの軌道を、ティーバッティングで徹底的に身体に叩き込み、翌日の試合前のティーバッティング修正・確認をします。

そんな地道な練習を繰り返し、2014年9月にはNPB史上初の6ヶ月連続初回先頭打者本塁打を達成。初のタイトルとなる最多安打を獲得し、日本人右打者としてシーズン最多記録を更新しました。

翌2015年には二軍内野守備走塁コーチ・三木肇コーチと出会い、持ち前の俊足を活かした盗塁の極意を叩きこまれます。

その結果、盗塁は前年の倍以上に増え、打率3割・本塁打30本・30盗塁の「トリプルスリー」を達成。トリプルスリー以外にもリーグ2位となる打率・安打数・打点を記録し、本塁打王・盗塁王・最高出塁率のタイトルを獲得。リーグ優勝に貢献しました。

2016年は2度の四球で故障を発症しますが、2年連続でトリプルスリーを達成。選球眼も磨かれ、リーグ最多四球も記録しました。

2018年には3度目のトリプルスリーを達成。複数回の達成はプロ野球史上初の記録となりました。

2012年
26試合 打率.250  1本塁打  0盗塁 OPS.690
チーム順位3位

2013年
94試合 打率.283  3本塁打  9盗塁 OPS.711
チーム順位6位

2014年
143試合 打率.324 29本塁打 15盗塁 OPS.941
チーム順位6位
◆最多安打・6ヶ月連続初回先頭打者本塁打(NPB記録)・日本人右打者シーズン安打(NPB記録)

2015年
143試合 打率.329 38本塁打 34盗塁 OPS1.027
チーム順位1位
◆本塁打王・盗塁王・最高出塁率・トリプルスリー

2016年
133試合 打率.304 38本塁打 30盗塁 OPS1.032
チーム順位5位
◆盗塁王・最多四球・トリプルスリー

2017年
143試合 打率.247 24本塁打 14盗塁 OPS.799
チーム順位6位

2018年
140試合 打率.315 34本塁打 33盗塁 OPS1.014
チーム順位2位
◆盗塁王・サイクルヒット・トリプルスリー

2019年
142試合 打率.271 35本塁打 33盗塁 OPS.961
チーム順位6位
◆連続盗塁(NPB記録)

野球日本代表は2014年の日米野球で初選出。2019年に開催された「第2回 WBSC プレミア12」では決勝の韓国戦で逆転3ランを放ち、同大会初優勝へ導きました。

2014年
SUZUKI 日米野球(親善試合)4勝2敗
11月12日~11月20日 5試合 13打数 3安打 0本塁打 1打点

2015年
ひかりTV 4K GLOBAL BASEBALL MATCH 2015
侍ジャパンvs欧州代表(強化試合)1勝1敗
3月10日~3月11日 2試合 6打数 2安打 1本塁打 2打点

第1回WBSCプレミア12 3位
11月8日~11月21日 8試合 26打数 10安打 2本塁打 4打点

2016年
侍ジャパン強化試合 日本vsチャイニーズタイペイ 2勝0敗
3月5日~3月6日 2試合 3打数 1安打 0本塁打 1打点

侍ジャパン強化試合 日本vsメキシコ代表・オランダ代表 3勝1敗
11月10日~11月13日 4試合 13打数 1安打 0本塁打 1打点

2017年
2017 WORLD BASEBALL CLASSIC 3位
3月7日~3月22日 7試合 27打数 8安打 2本塁打 5打点

2018年
日米野球(親善試合)5勝1敗
11月9日~11月15日 6試合 19打数 2安打 0本塁打 2打点

2019年
ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsカナダ(強化試合)1勝1敗
10月31日~11月1日 2試合 5打数 1安打 0本塁打 1打点

第2回WBSCプレミア12 1位
11月3日~11月17日 8試合 20打数 4安打 1本塁打 6打点

また、山田選手は選球眼が良く、「第1回WBSCプレミア12」では大会を通して9四死球を記録しています。

山田哲人選手の打撃フォーム・特徴

山田哲人選手の打撃の特徴は「長打力と巧打を兼ね揃えたバッテイング」です。

ホームランバッターとしては決して恵まれた体型ではない山田選手を、ヤクルトで活躍していたウラジミール・バレンティン選手は“コンプリートヒッター”と呼びます。

「彼はバックスピンをかける技術に長けていた。この技術は努力して身につけたというより、持って生まれた才能だと思います」と語っています。

まずトップを深く構え、前に出ている右足を内側に高く上げることで下半身と上半身の捻りが最大になり、前足を大きく踏み出すことができます。前足を踏み出したら腰だけを回転させ、捻りをためたところでバットを内側からコンパクトに振りだします。

インパクトの際はボールの下側を強く叩き、背中をそらせながら素早く回転。この一連の動きをスムーズに行うことでスイングスピードが上がり、強いバックスピンをかけた打球を放つことができるのです。

一般的に足を高く上げる選手は変化球に対応できないと言われていますが、山田選手は膝の動きが柔軟で、子供の頃より変化球は得意としていたそうです。こんなところも天賦の才と言えるでしょう。

そして山田選手の優れた能力に「選球眼の良さ」があります。2016年・2019年はリーグ最多四球を記録。選球眼の良さは出塁だけでなく、有利なカウントを作り、狙ったボールを確実に仕留める打撃にも活かされているのです。

また、50m5.67秒の俊足はチーム最速。スタートが良い上にトップスピードに乗るのも早く、盗塁王を獲得した2015年の盗塁成功率は89.5%、2016年は93.8%と驚異的な数値を記録しています。

さらに俊足はベースランニングにも活かされ、2014~2016年・2018年はリーグ最多得点を記録しています。

東京オリンピックのキーマン・山田哲人選手

打率・本塁打・打点・盗塁、すべての部門でトップ争いをしている山田哲人選手。東京オリンピックで選出されれば多彩な攻撃を展開することができ、どの打順でも対応可能です。

守備では広島・菊池涼介選手が二塁を守る可能性が高いですが、過去に一塁・三塁も守ったことがあり、その経験が生きてくるでしょう。また、オリンピック開催時期である夏に成績を伸ばしていることも、大きな強みです。

東京オリンピックについては「すごく出たい気持ちがあります。日本でオリンピックが開かれることは中々ないことだし、その頃(2020年)は28歳。脂の乗り切ると言われる年齢なので、こんな偶然は中々ない」と語ります。オリンピックで代表選手に選ばれるのは、もちろん初めてのこと。「メダルを取って自慢できるようにしたい」と目を輝かせます。

前人未踏の記録を生み続ける山田選手。東京オリンピックでも私たちの想像を超える活躍を見せてくれることでしょう。

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