最強打者は誰だ!2018年度版 OPS10傑ランキング

打者の能力を表す指標のひとつに「OPS」があります。

OPSとは打者が出塁する確率である“出塁率”と、どれだけの長打を打てるかを表す“長打率”を足したものです。例えば出塁率が.400で長打率が.600の選手がいたとすると、その選手のOPSは1(.400+.600=1.000)となります。

得点との相関性は、打率・出塁率・長打率を単独で見るよりも高いと言われており、MLBでは2000年以降に広まり、NPBでも今や各球団の監督・コーチが参考にするほどの重要な指標の一つです。

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OPSの特徴と格付けの見方

出塁率は、安打+四球+死球】÷【打数+四球+死球+犠飛】で計算され、エラーによる出塁は含まれません。そのため、同じ打率の打者でも出塁率の高い打者のほうがアウトになる確率が低く、得点に関わることの多い打者にとって大切な指標です。

長打率は、【塁打÷打数】で計算され、1打数で何塁打を打てる可能性があるかを探る指標です。単打で1、二塁打で2、三塁打で3、本塁打で4となり、例えば4打数の成績が三振・1本塁打という結果を残した場合、長打率は1(4塁打÷4打数=1)となります。最高値は4で、すべての打席で本塁打を打った場合に記録されます。

この2つの数値を足したものがOPSで、OPSの高い選手の特徴には本塁打が多く、四球を選ぶ(敬遠が多い)選手が多い傾向があります。

そんなOPSには7段階の格付けがあり、数値が高いほど優秀な打者であると評価されます。

OPSの格付け

Aランク 優秀 .9000以上
Bランク 非常に良い .8334~.8999
Cランク 良い .7667~.8333
Dランク 普通 .7000~.7666
Eランク 平均以下 .6334~.6999
Fランク 悪い .5667~.6333
Gランク 非常に悪い .5666以下

各リーグの平均OPSは毎年7割台で、シーズンを通してOPS1を超える打者には、王貞治選手・ランディ・バース選手・落合博満選手など、歴史に残る素晴らしい選手が名を連ねます。

では、2018年のOPSを各リーグに分けて、規定打席到達選手の中から上位10名を調べてみましょう。

セ・リーグの2018年OPS10傑

1位 丸佳浩選手(広島→巨人)OPS:1.096(出塁率.468 長打率.627)

2016年からは不動の3番打者としてリーグ3連覇に貢献し、2018年は故障を抱えながらも自身初の最高出塁率のタイトルを獲得。2017年に最多安打・2013年に盗塁王も獲得しており、まさに三拍子そろったセ・リーグ最高峰の左打者と言えます。2019年はFAで巨人へ移籍が決まっていますが、新天地でもその技術と才能をいかんなく発揮してくれることでしょう。

2位 鈴木誠也選手(広島)OPS:1.057(出塁率.438 長打率.618)

3位 山田哲人選手(ヤクルト)OPS:1.014(出塁率.432 長打率.582)

4位 ネフタリ・ソト選手(横浜)OPS:1.008(出塁率.364 長打率.644)

5位 筒香嘉智選手(横浜)OPS:.989(出塁率.393 長打率.596)

6位 ダヤン・ビシエド選手(中日)OPS:.974(出塁率.419 長打率.555)

7位 坂本勇人選手(巨人)OPS:.962(出塁率.424 長打率.537)

8位 岡本和真選手(巨人)OPS:.935(出塁率.394 長打率.541)

9位 ウラジミール・バレンティン選手(ヤクルト)OPS:.904(出塁率.370 長打率
.533)

10位 糸井嘉男選手 (阪神)OPS:.900(出塁率.420 長打率.480)

パ・リーグの2018年OPS10傑

1位 柳田悠岐選手(ホークス)OPS:1.092(出塁率.431 長打率.661)

今やチームリーダーの松田宣浩選手と並び“ホークスの顔”でもある柳田悠岐選手ですが、2018年はOPSリーグ1位に加え、打撃・守備・走塁を総合的に評価するWARという指標では、12球団1位となりました。他にも打率リーグ1位・本塁打リーグ2位という自身最高成績をマーク。まさにMVP級の活躍をし、ホークスの2年連続日本シリーズ優勝に貢献しました。

2位 山川穂高選手(西武)OPS:.985(出塁率.396 長打率.590)

3位 吉田正尚選手(オリックス)OPS:.956(出塁率.403 長打率.553)

4位 秋山翔吾選手(西武)OPS:.937(出塁率.403 長打率.534)

5位 浅村栄斗選手(西武)OPS:.910(出塁率.383 長打率.527)

6位 近藤健介選手(日ハム)OPS:.884(出塁率.427 長打率.457)

7位 井上晴哉選手(ホークス)OPS:.880(出塁率.374 長打率.506)

8位 外崎修汰選手(西武)OPS:.830(出塁率.357 長打率.472)

9位 アルフレド・デスパイネ選手(ホークス)OPS:.826(出塁率.333 長打率.494)

10位 森友哉選手(西武)OPS:.823(出塁率.366 長打率.457)

過去3年間トータルの日本プロ野球OPS10傑

過去3年間で1330打席(シーズン規定打席×3シーズン)以上の選手対象とし、OPS上位10名の選手の記録をまとめました。

打席数の関係で今回は惜しくもランク入りを逃したオリックス・吉田正尚選手、西武・山川穂高選手、巨人・岡本和真選手の今後の活躍にも期待したいところです。

1位 柳田悠岐選手(ホークス)OPS:1.025(出塁率.434 長打率.591)

毎年素晴らしい成績を残し、豪快なフルスイングから生まれる長打が魅力の柳田悠岐選手。チームメイトの甲斐拓也選手曰く、他の選手と比べてスイングスピードが段違いに早いと語り、毎年紅白戦で対戦するチームメイトの千賀洸大選手は、抑え方が見えてこないと評します。さらにその魅力は打撃だけにとどまらず、スピード感あふれる守備や走塁にも注目が集まることから、野球選手としての総合力が高い選手と言えます。

2位 筒香嘉智選手(横浜)OPS:1.002(出塁率.406 長打率.596)

日本人離れした長打力を誇る“日本の四番打者”である筒香嘉智選手。2016年に打点・本塁打の二冠を獲得し、OPSは5年連続で.900を超える成績を上げています。近年では長打力だけでなく広角に打ち分ける巧打力も併せ持ち、その打撃技術は松井秀喜選手・前田智徳選手をはじめ、現役選手の阿部慎之助選手や柳田悠岐選手といった日本を代表する強打者からも絶賛されています。

2位 鈴木誠也選手(広島)OPS:1.002(出塁率.410 長打率.592)

筒香選手と同じOPSを叩き出した鈴木誠也選手ですが、筒香選手の方が打席数が多かったため、筒香選手を先に書きました。鈴木選手はバネのような身体から放つ、スケールの大きな打撃が魅力。チームメイトや関係者が口々に語るほどの野球好きで、打てなかった打席にこだわる“努力する天才”です。また投手経験を活かした強肩と俊足を活かした盗塁も必見。来季から広島伝統の背番号「1」を背負う鈴木選手の活躍に期待しましょう。

4位 丸佳浩選手(広島)OPS:.955(出塁率.418 長打率.537)

5位 山田哲人選手(ヤクルト)OPS:.948(出塁率.407 長打率.541)

6位 坂本勇人選手(巨人)OPS:.916(出塁率.409 長打率.507)

7位 秋山翔吾選手(西武)OPS:.892(出塁率.395 長打率.497)

8位 ウラジミール・バレンティン選手(ヤクルト)OPS:.883出塁率.365 長打率
.518)

9位 ダヤン・ビシエド選手(中日)OPS:.860(出塁率.363 長打率.497)

10位 浅村栄斗選手(西武)OPS:.858(出塁率.362 長打率.496)

OPSは打席での楽しみが広がる指標

得点と強い関わり持つOPSですがもちろん万能な指標ではなく、出塁率と長打率が同価値になっているためホームランバッターに有利なことや、走力が反映されないため盗塁率の高い選手に不利であることがあげられます。

しかし逆に、山田哲人選手や柳田選手のように、走力もありながらOPSも高い選手は、非常に優秀だと言えるのではないでしょうか。また、チャンスの場面で登場した打者のOPSが高ければ、その選手がたとえ無名の若手選手でも「この選手はOPSが高いから期待できるかもしれない」など、期待を持って観戦できるかもしれません。

このようにOPSをひとつの指標として野球観戦すると、よりプロ野球を楽しめると思います。ぜひ参考になさってくださいね。

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