【強さとお金の法則!/データ有】各球団1勝あたりのお値段を検証してみた

どうもマツローです。

2018年の日本プロ野球、セ・リーグは広島東洋カープが球団初となる3連覇を達成。パ・リーグは埼玉西武ライオンズが10年ぶりにリーグ優勝を果たしました。日本シリーズは福岡ソフトバンクホークスが2位からの下剋上で、2年連続となる日本シリーズ優勝。どの試合も見逃せない熱戦となりました。

良い成績を残した選手は来季の年俸が上がりますので、強い球団ほど年俸総額は高くなります。しかしリーグ優勝・日本一に輝いた球団の2018年年俸総額が、他球団より高かったのかと言われれば必ずしもそうではありません。

そこで2018年、各球団の選手にかかった年俸総額を、レギュラーシーズンの勝利数で割り、“1勝あたりの勝利のお値段”をランキング形式でご紹介します。また、球団別に過去5年ごとの1勝あたりのコスパもまとめました。

※年俸は支配下登録された日本人選手・外国人選手を含む推定年俸、出来高の金額や育成選手の年俸は対象外として計算しており、球団により誤差が生まれる可能性があることをご了承ください。

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2018年 セ・リーグ コスパランキング

1位 広島東洋カープ 3092万/1勝

25億3510万円 82勝 1勝あたり3091万5854円

リーグ3連覇を果たした広島ですが、高額年俸のベテラン選手が引退していることや、外国人選手の年俸総額が他球団に比べて高くないこともあり、セ・リーグでは1勝あたりのコスパが最も良い球団となりました。FA補強には消極的で高卒選手を大切に育て上げていることも、コスパの良さを実現できる秘訣と言えるでしょう。

2位 中日ドラゴンズ 3546万/1勝

22億3400万円 63勝 1勝あたり3546万317円

毎年のように優勝争いをしていた頃は高額年俸の選手が複数在籍していた中日ですが、近年ベテラン選手の引退が相次ぎ、年俸総額はリーグ最下位に。また外国人選手の年俸総額が12球団最下位であることも、年俸高騰を抑えている要因です。弱点である中継ぎ投手の補強を叶えられれば、一気にコスパランキング1位になれる可能性を秘めています。

3位 横浜DeNAベイスターズ 3985万/1勝

26億6985万円 67勝 1勝あたり3984万8507円

2017年はリーグ優勝は逃したものの、クライマックスシリーズで勝ち上がり日本シリーズへ進出。2018年はリーグ優勝への期待を込めての年俸アップでしたが、主力選手の故障もあり前年より成績を落としてしまいました。コスパ面では広島と1位争いをできるほどのポテンシャルがありますので、来季の飛躍に期待しましょう。

4位 東京ヤクルトスワローズ 4038万/1勝

30億2835万円 75勝 1勝あたり4037万8000円

ここ数年は、優勝・5位・最下位・2位と成績が極端なため、1勝あたりのコスパが大きく変動しています。FA補強にはそれほど積極的ではありませんが、外国人選手を除いても億超えの年俸の選手が6名在籍しています。山田哲人選手のように育て上げた選手を正しく評価し、年俸を大きくあげる球団という印象です。

5位 阪神タイガース 5794万/1勝

35億9230万円 62勝 1勝あたり5794万323円

FA補強には積極的で、鳥谷敬選手・糸井嘉男選手といった高額年俸の選手や外国人選手が年俸をあげる要因です。昨年は2位と大躍進を遂げ、年俸も上がりましたが、2018年は投打のすべてが大誤算。17年ぶりの最下位でコスパも悪くなってしまいました。しかし2018年は、若手選手の成長という成果もありました。

6位 読売ジャイアンツ 7061万/1勝

47億3110万円 67勝 1勝あたり7061万3433円

FA補強・外国人補強に積極的で、日本人選手最高年俸の菅野智之投手をはじめ、億を超える年俸の選手がセ・リーグで一番多いため、年俸総額は飛びぬけて高額です。補強が成功とはいえない中、岡本和真選手・吉川尚輝選手といった未来の巨人を支える選手の成長は、高橋由伸監督が残した大きな功績と言えるでしょう。

2018年 パ・リーグ コスパランキング

1位 北海道日本ハムファイターズ 3264万/1勝

24億1520万円 74勝 1勝あたり3263万7838円

2018年のクライマックスシリーズ・ファーストステージは、1勝あたりのコスパが倍ほど違う“パ・リーグ内コスパ対決”でした。日本人選手の年俸総額は日ハムが12球団最下位で、2017年は億を超える年俸の日本人選手が8名在籍していたのに対し、2018年は3名。FA補強に消極的で高卒選手を大切に育てるという点は、セ・リーグコスパランキング1位・広島との共通点と言えるでしょう。

2位 埼玉西武ライオンズ 3441万/1勝

30億2840万円 88勝 1勝あたり3441万3636円

FA補強に積極的ではなく、即戦力が期待できる大學・社会人選手中心としたドラフト戦略が、コスパの良さを実現しています。高額年俸の中には中村剛也選手・秋山祥吾選手といった、強力打線の一角を担う選手が並びますが、菊池雄星選手・浅村栄斗選手が移籍する来季、リーグ連覇しコスパランキング1位の可能性に期待します。

3位 千葉ロッテマリーンズ 3739万/1勝

22億0600万円 59勝 1勝あたり3738万9831円

年俸総額は12球団最下位のロッテ。特に外国人選手の補強には毎年苦戦していますので、2018年新加入のボルシンガー投手は来季も頑張ってほしいところです。投手陣の成長や盗塁数の増加など期待できる要素も多いので、井上晴哉選手に加え長打を期待できる選手の補強が実現すれば、一気にコスパランキングをあげる可能性も秘めています。

4位 東北楽天ゴールデンイーグルス 4848万/1勝

28億1180万円 58勝 1勝あたり4847万9310円

2017年はクライマックスシリーズ・ファイナルステージまで進むという健闘を見せ、多くの選手の年俸が上がったものの今季は最下位。最大の反省点は、ウィーラー選手をはじめとする外国人野手の不振です。全体の投手成績は決して悪くないので、外国人選手を含めた得点力をあげ勝利数を増やすことで、コスパも良くなっていくのではないでしょうか。

5位 オリックス・バファローズ 4862万/1勝

31億6030万円 65勝 1勝あたり4862万円

金子千尋投手・西勇輝投手の投手二枚看板や中島宏之選手といった選手に加え、若手野手・投手共に順調に育っているオリックス。戦力は充実していますが結果に結びつかないまま年俸が高騰し、コスパが悪くなっています。2019年は上記3選手不在でシーズンを迎えますが、それだけでも年俸総額は10億円近く下がります。チーム再建に期待しましょう。

6位 福岡ソフトバンクホークス 7544万/1勝

61億8590万円 82勝 1勝あたり7543万7805円

毎年優勝候補筆頭になるほどの優秀な選手の多さ・選手層の厚さを誇るだけあって、年俸総額は12球団トップ。2018年はサファテ投手・摂津正投手・和田毅投手といった年俸の高い投手の故障や不調も重なり、シーズン終盤に盛り返したものの勝利数を伸ばせずコスパランキングとしては歴代ワーストの記録でした。

セ・リーグ球団別 1勝あたりのコスパ推移 ※過去5年

では次に過去5年間の各球団の1勝あたりにかかった値段を見ていきます

ますはセ・リーグです。

広島東洋カープ
2018年 3091万5854円
2017年 2729万1591円
2016年 2830万3708円
2015年 3623万9130円
2014年 2785万3649円

中日ドラゴンズ
2018年 3546万317円
2017年 3733万7288円
2016年 3435万2069円
2015年 4074万4677円
2014年 3885万5224円

横浜DeNAベイスターズ
2018年 3984万8507円
2017年 3001万6712円
2016年 2840万円
2015年 3597万2581円
2014年 2876万1194円

東京ヤクルトスワローズ
2018年 4037万8000円
2017年 6773万3333円
2016年 4552万8906円
2015年 3692万8947円
2014年 3977万円

阪神タイガース
2018年 5794万323円
2017年 4136万8974円
2016年 4736万938円
2015年 4819万円
2014年 4314万円

読売ジャイアンツ
2018年 7061万3433円
2017年 6417万4028円
2016年 6393万1690円
2015年 5932万4000円
2014年 5681万8293円

パ・リーグ球団別 1勝あたりのコスパ推移 ※過去5年

次に過去5年間の1勝あたりにかかった値段、パ・リーグです

北海道日本ハムファイターズ
2018年 3263万7838円
2017年 4729万5667円
2016年 3099万3103円
2015年 2910万633円
2014年 3289万1096円

埼玉西武ライオンズ
2018年 3441万3636円
2017年 2880万4684円
2016年 4372万1875円
2015年 3534万3478円
2014年 3559万6825円

千葉ロッテマリーンズ
2018年 3738万9831円
2017年 4740万8704円
2016年 3364万4444円
2015年 3351万274円
2014年 3774万9242円

東北楽天ゴールデンイーグルス
2018年 4847万9310円
2017年 2902万4156円
2016年 3984万3548円
2015年 3939万6491円
2014年 4359万625円

オリックス・バファローズ
2018年 4862万円
2017年 3988万1587円
2016年 5957万3684円
2015年 6151万8852円
2014年 2996万5625円

福岡ソフトバンクホークス
2018年 7543万7805円
2017年 6527万6596円
2016年 6403万7349円
2015年 5148万8889円
2014年 5128万5897円

球団によっては倍以上異なる勝利のお値段

分かりやすいようセ・パ別にグラフにしてみました。

こうしてみると広島、横浜DeNA、日本ハム、西武は毎年1勝あたりの値段は低価格で安定しており、理想的な球団経営と言えるのかもしれませんね。

またこのコストパフォーマンスの良さを出している背景には、年俸の低い若手の育成や格安外国人助っ人の発掘が非常にうまくいっていることが考えられます。

これは球団のチームスタッフ、スカウト及びフロントの方々の努力の賜物ですよね。

一方でソフトバンクや巨人は1勝あたりの値段がリーグトップで、広島と比べると1勝するのに“倍以上”のお金をかけていることになります。

球団の年俸総額はその強さを維持すればするほど上がります、しかし広島や日ハム・西武のように生え抜きの選手をじっくり育てることで補強費を抑え、強いチーム作りをすることも可能です。

そして育成と補強、共に積極的なホークスの王者の戦略も、見ていて爽快なものです。

来季はどの球団がコスパランキング1位に名乗りを上げるのか、とても楽しみですね。

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