どうもマツローです!
福岡ソフトバンクホークス・千賀滉大投手が2019年、さらなる進化をみせています。
かつては育成選手としてプロ野球人生を歩み始めた千賀投手ですが、今や2年連続開幕投手を務め、押しも押されぬエースに成長したことはプロ野球ファンならば周知の事実ですね。
今季は千賀投手の奪三振が止まりません。毎試合の奪三振ショーにファンは沸き、“シーズン奪三振率”のプロ野球記録更新も夢ではない快進撃をみせているのです。
そんな千賀投手は、昨年までとどのような違いがあるのでしょうか?今回は千賀投手のプロフィールや経歴・今季みせている進化を分析し、今季の成績を振り返りながら奪三振率プロ野球記録更新の可能性を予想します。
スポンサーリンク
Contents
ソフトバンク・千賀滉大投手のプロフィール・経歴
福岡ソフトバンクホークス・千賀滉大投手のプロフィールや経歴をご紹介します。
出身地 :愛知県
生年月日 :1993年1月30日
身長体重 :186cm・86kg
ポジション:投手
投球・打席:右投左打
支度金 :300万円
年俸 :1億6000万円
経歴 :蒲郡高校→福岡ソフトバンクホークス
千賀投手は蒲郡高2年時に実質的にエースとなりますが、ルーズショルダーのため故障が多く、甲子園はおろか公式戦ですら投げられないという高校時代を過ごしていました。
しかし潜在能力の高さに目を止めたソフトバンクから、2010年育成ドラフト4巡目で指名を受けます。当時千賀投手の元には大学からの誘いはありましたが、大学でまた怪我をしたら今度こそNPBへの道は絶たれてしまう・・・そんな思いから育成選手での入団を決めたそうです。
2012年に支配下選手へ昇格すると4月に一軍先発デビューを果たし、2013年に救援投手による公式戦連続無失点イニングのパ・リーグタイ記録(34回1/3)を打ちたて、徐々に頭角を現します。
以後たびたび右肩痛・背筋痛を発症し、先発投手へ再転向。2016年には、育成出身投手による一軍でのシーズン最多勝利記録・12勝を達成しました。
そして翌2017年には開幕前に行われたWBCでも活躍し、日本代表から唯一の最優秀投手に選出されます。千賀投手の代名詞となる「お化けフォーク」は世界を席巻し、シーズンでは自己最多の13勝、最高勝率のタイトルを獲得。2018年は再び故障に苦しみながらも2年連続13勝をあげ、チームの日本一連覇に貢献しました。
ソフトバンク・千賀滉大投手の特徴
千賀滉大投手といえば「お化けフォーク」と呼ばれる落差のあるフォークが有名ですが、ストレートの最速は161km/hを誇り、平均球速は150km/hを超えるという特徴があります。この速球を警戒し、お化けフォーク・縦のスライダー・ツーシームを組み合わせ、打者を三振に切って取ります。
この千賀投手の速球を生み出しているのが、肩周りの関節の柔らかさ・可動域の広さです。
ルーズショルダーの選手は肩の関節が外れやすい反面、肩の可動域が広いという特徴があります。その弱点を補うべく体幹や肩周りのインナーマッスルを鍛え、育成1年目のオフより「コウノエスポーツアカデミー」で身体の使い方・フォームを構築していました。その結果、肩の可動域を活かして強いスピンのかかった球を投げられるようになり、161km/hの速球・キレのある変化球を投げられるようになったのです。
そして千賀投手の代名詞でもある「お化けフォーク」を生み出したのも、このコウノエスポーツアカデミーで中日ドラゴンズ・吉見一起選手に出会ったことがきっかけです。制球難に悩む千賀選手は当時「精密機械」と称された吉見選手にアドバイスを求め、20球に1球しか落ちなかったフォークを「お化けフォーク」と呼ばれるまでに磨き上げていったのです。
今シーズンの千賀投手の進化
千賀滉大投手は自身も「悩みが多かったシーズン」という昨季をふまえ、春季キャンプ前にコウノエスポーツアカデミーにてフォームの再調整・コンディショニングを見直し、肩と肘の負担を減らした理想的なフォームを構築します。
そして胴の回転を主体とした「胸骨投法」とも言えるフォームを手に入れたのと徹底したトレーニングで肉体改造に成功したことで、ストレートの質と球速が飛躍的にアップしました。
驚異のストレートは以下の動画で見ることが出来ます。
また今シーズンの千賀投手は開幕前から自信が宿り、技術面だけではなく精神的にもエースとしての風格が漂っていました。
確かにこれまでの千賀投手は、エースと呼べるだけのポテンシャルを持ちながらもシーズン通して活躍したことがなく、ここ一番の試合で勝ちきれない弱さも持ち合わせていました。
しかし、再び投手としての土台を見直すことで自身の進化を確信した千賀投手は、今まで以上にエースとしての自信を手に入れたのです。
それが顕著に表れているのがイニング数です。もともと千賀投手は球数が多いという特徴がありましたが、昨シーズンまでの千賀投手は早いイニングで100球近くまで投げてしまうと早々に降板することが多々ありました。
しかし今シーズンの千賀投手は“自分が投手陣を引っ張っていく”という強い自覚の元、多い時には1試合で140球以上投げて7~8回くらいまでは投げ切ることが多くなっています。
これも救援陣に負担をかけないように少しでも長いイニングを投げ切ろうというエースとしての自覚の表れといえるでしょう。
シーズン前半戦の千賀投手の成績を振り返ってみると、15試合に登板し9勝2敗、QS(6回以上、自責点3以下)はリーグ最多の14回を数えます。勝利数・勝率・投球回はリーグ1位、防御率は僅差のリーグ2位、中でも圧巻なのが138奪三振で、12球団通してもダントツの1位です。
シーズン奪三振率のプロ野球記録更新の可能性
驚異の奪三振数を誇る千賀投手ですが、特に注目されているのが“奪三振率の高さ”です。
奪三振率とは「9回投げた場合にどれだけ三振を奪うか」の指標で、シーズン前半戦までの千賀投手の奪三振率は「11.83」でこれはシーズン歴代奪三振率のプロ野球新記録に該当します。
これまでのシーズンの奪三振率ランキング(規定投球回以上の投手)は以下になっています。
2位 野茂英雄(近鉄 1990年) 10.99
3位 大谷翔平(日本ハム 2015年) 10.98
4位 江夏豊 (阪神 1968年) 10.97
5位 石井一久(ヤクルト 1999年) 10.96
このまま千賀投手が故障で離脱することなく規定投球回数に到達した場合、シーズン奪三振率のプロ野球記録を更新する可能性も見えてきました。
記録更新の一番のポイントとなるのはやはり球数の多さでしょう。
先ほども書きましたが千賀投手は正確なコントロールで勝負するタイプの投手ではないので、どうしても1試合で投げる球数が多くなってしまいます。
投手は球数が多くなると徐々に握力が落ちてきます。
千賀投手が得意とする決め球のフォークは強い握力が必要な変化球なので、球数が多くなり握力が落ちてくるとフォークの切れも落ちてきて三振が奪いにくくなり結果として奪三振率は低下してしまいます。
また毎試合多くの球数を投げているとシーズン後半になるにつれて体力面も疲弊していきパフォーマンスが低下する可能性も高くなってしまいます。
持っている能力は突出しているため、後は故障や体力面の問題さえクリア出来れば、シーズン奪三振率新記録の可能性は十分あると見ていいでしょう。
【追記】シーズン奪三振率の日本記録達成
2019年9月29日でホークスの公式戦全日程が終了しましたが、千賀投手の奪三振率は11.33で見事歴代シーズン奪三振率の日本記録を達成しました。
2位 石井一久(ヤクルト 1998年) 11.05
3位 野茂英雄(近鉄 1990年) 10.99
4位 大谷翔平(日本ハム 2015年) 10.98
5位 江夏豊 (阪神 1968年) 10.97
6位 石井一久(ヤクルト 1999年) 10.96
「育成の星」から「真のエース」・メジャーからの評価
現在、千賀滉大投手は26歳。人間の身体は27歳を超えたあたりから固まっていき、スポーツ選手として大人の身体になっていくと聞きます。
投手としては可動域が狭くなりますが千賀選手はもともと柔軟性が高いため、しっかりした筋力がつくことで今後さらにパワーのある投手へなっていく可能性を秘めています。つまりまだまだ投手として発展途上にあるのです。
そんな千賀投手に、MLBのスカウトマンたちがスピードガンを片手に目を光らせます。千賀投手本人も、以前より球団側とポスティングシステムによるMLB移籍を交渉しており、今後の動向が気になるところです。
気の早い話ですが、野球ファンとしては2020年に控える東京オリンピックで、日本代表のエースとなった千賀投手への期待もあることでしょう。
見事「シーズン奪三振率新記録更新」を達成した千賀投手ですが、「メジャーリーグ挑戦」など今後の動向には要注目ですね!
※他にこんな記事もあります。
コメントを残す